オペラ解説:「アイーダ」 “Aida” ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

METの舞台も豪華ですが、フランコ・ゼフィレッリによる新国立劇場の舞台(上の写真)も素晴らしい。世界の一流劇場でも経費節約系のチャチな舞台が多いので、日本のこの演出は貴重。グランドオペラはこうじゃなくちゃ!


この作品はスエズ運河開通記念として作曲された、と言われているがそれは俗説。ヴェルディがエジプトの総督、イスマーイール・パシャからの作曲依頼を受けたのは運河開通やカイロオペラ座開場の後である ( 「アイーダ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 2020年6月20日 (土) 09:09‎)。

 

このオペラで最も有名な場面は第2幕凱旋行進の場の音楽であろう。サッカーの応援歌にもなっているのでオペラに全く関心のない人も知っている。この場面で使われるのが「アイーダ」専用のアイーダトランペット。このトランペットがミスすると非常に目立つのでいつも緊張する(昔の日本ではよくミスしていた・・・)。

 

*** *** *** ***

 主な登場人物

 

アイーダ: 

主人公。もともとエチオピアの王女だが、エジプト軍に捕らえられ身分を隠してエジプト王女アムネリスに仕えている。愛情深くおとなしいが、エチオピア王女としての誇りや祖国への愛を心の奥深くに隠し持っていて(第3幕「おお我が故郷」)ラダメスと祖国愛との矛盾に苦しんでいる (第1幕「勝ちてかえれ」)。

 

アムネリス: 

王女としての気位が高い。気性は激しく情熱的。ラダメスを愛しているがアイーダが恋敵であることに気がつき激しく嫉妬する。しかし本来の性格は悪くない、愛されたいと願う普通の若い女性 (第2幕冒頭)。このオペラでアムネリスの存在感は大きく、アムネリスを歌う歌手が素晴らしいとこのオペラはオペラ「アムネリス」になってしまう。

 

ラダメス: 

彼は英雄ではない。アイーダと恋仲にあることをひた隠しにしていて、アムネリスと結婚する様に言われた時もその場ではっきりと断ることができない。王女との結婚式の前夜アイーダに詰め寄られると「今度の戦いで勝ったら王に本心をいうから」と現実味のない希望をいうだけ。まずは明日に迫った結婚式をどうするつもり?

 

また父親に言い含められたアイーダが巧妙に彼をそそのかすと彼は簡単に騙され、軍の司令官にも関わらず軍の機密を漏らす。軍人としてもいかがなものか?

 

彼が真に英雄になるのは謀反人として捕らえられてから後である。言い訳を一切言わず、王女アムネリスの嘆願も拒絶してアイーダとの愛を貫き、軍機を漏らした謀反人としての死刑を受け入れる。

 

ヴェルディは第1幕 冒頭の「清きアイーダ 」や第4幕墓場での二重唱などにピアノ、ピアニシモを多用し、優しく柔らかく歌う様指定している。“ラダメスは英雄なのだから「清きアイーダ」は輝かしく朗々とフォルテシモで最後を締めるのが当然” という考えは、楽譜を見る限り適当ではないと思う。

 

ただし「清きアイーダ」の最後部分を楽譜の指定通りpppp ( ピアノ4つ!)➡︎ ppp ➡︎ pp & モレンド (遅くしながら消える様に) で歌うのは恐ろしく難しい。世界でもごくわずかのテノールしか歌えない。この歌に関する詳しい考察は「オタク記事:清きアイーダ考」に出ている。

 


第1幕

 

第1場:メンフィスの王宮の広場

エジプトに負けたエチオピア人たちが再びエジプトに戦いを挑んできた。祭司長ランフィスはラダメスに戦いの最高指揮官が決まったと言う、ただしその名前は言わない。ラダメスは王女アムネリスの侍女、アイーダを密かに恋している。

 

一人になったラダメスは、「もし自分が最高指揮官に選ばれたなら、戦いに勝利して、アイーダに愛を告白するのに」と、心の中に秘めた熱い希望と恋心を独白する。(”Celeste Aida”「清きアイーダ」)

 スカラ座 1986 ルチアーノ・パヴァロッティ

RAMFIS

 (エジプトの最高指揮官を誰にするかの託宣はすでになされていると言い、意味ありげにラダメスを見つめながら)

 

Giovane e prode è desso. Ora del Nume

かの者は若く勇敢。

 

Reco i decreti al Re.

御託宣を王にお伝えせねば。

 

RADAMÈS

 

Se quel guerrier io fossi!  se il mio sogno si avverasse!

もしその戦士が私だったら!夢が本当に叶うなら!

 

Un esercito di prodi da me guidato...

e la vittoria... e il plauso di Menfi tutta!

勝利を得・・・メンフィスの人々全てに喝采される(という夢が叶うなら)!

 

E a te, mia dolce Aida,

そうしたら愛するアイーダよ

 

tornar di lauri cinto...

あなたのもとへ月桂冠を抱いて帰り・・・

 

dirti: per te ho pugnato, per to ho vinto!

あなたに言うのだ:私はあなたのために戦い、そして勝ったのだと! 

 

Celeste Aida, forma divina. 

清きアイーダ、神々しいその姿。

 

mistico serto di luce e fior,

光と花の神秘、

 

del mio pensiero tu sei regina, 

あなたは私の心の女王様、

 

tu di mia vita sei lo splendor.

あなたは私の命の輝き。

 

Il tuo bel cielo vorrei redarti,

あなたに美しい空を、そして

 

le dolci brezze del patrio suol;

あなたの祖国の優しいそよ風を返してあげたい;

 

un regal serto sul crin posarti,

あなたの髪に王家の冠を載せ、

 

ergerti un trono vicino al sol.

あなたの王座を太陽の高みに持って行くのだ。

 

Celeste Aida, forma divina,

清きアイーダ、神々しいその姿、

 

mistico raggio di luce e fior,

光と花の神秘、

 

del mio pensiero tu sei regina,

あなたは私の女王様、

 

tu di mia vita sei lo splendor.

あなたは私の命の輝き。

 

lI tuo bel cielo vorrei redarti,

あなたに美しい空を、そして

 

le dolci brezze del patrio suol;

あなたの祖国の優しいそよ風を返してあげたい;

 

un regal serto sul crin posarti,

あなたの髪に王家の冠を載せ、

 

ergerti un trono vicino al sol.

あなたの王座を太陽の高みに持って行くのだ。

 

un trono vicino al sol!

あなたの王座を太陽の高みに!

 

un trono vicino al sol!

あなたの王座を太陽の高みに!

 


iltrovatoreはパバロッティの輝かしい歌に文句をつける気は全くありませんが、アリアの最後部分、楽譜に忠実な歌い方はカウフマンが歌うこちら 

 

そこにやってきたアムネリスは自分以外の女に向けられたラダメスの恋を察して激しく嫉妬する。一方うろたえるラダメスはアイーダ への恋心を隠すことができない。

 

そこに王や司祭たちが現れ、ラダメスが最高指揮官に選ばれたことを皆に知らせる。皆が去った後一人になったアイーダ はラダメスに対する想いと自分の父への愛との間で引き裂かれる苦しい胸のうちを歌う(”Ritorna vicintor!” 「勝ちてかえれ」)。

1966 Leontyne Price 

AIDA

Ritorna vincitor!... E dal mio labbro

勝ちて帰れ!・・・私の唇から

 

Uscì l'empia parola! 

呪わしい言葉が語られる! 

 

Vincitor del padre mio... 

我が父に勝てと・・・

 

di lui che impugna l'armi per me... per ridonarmi

父は私のために戦いを始めたのだ・・・ 私のために取り戻そうと

 

Una patria, una reggia, e il nome illustr

我が故郷、我が王国、そして偉大なる名前を

 

Che qui celar m'è forza. 

この地では隠さねばならないことを(取り戻そうと)。

 

Vincitor de' miei fratelli... 

我が兄弟たちに勝てよと・・・

 

ond'io lo vegga,tinto del sangue amato, 

私は我が愛する者たちの血にまみれた彼を見るのだ、

 

trionfar nel plauso dell'Egize coorti! E dietro il carro,

エジプトによる勝利の喝采!そして彼の戦車の後ろには、

 

Un Re... mio padre... di catene avvinto!

王が・・・我が父が・・・鎖に繋がれている!

 

L'insana parola,

我が狂った言葉を、

 

O Numi, sperdete!

おお神よ、消し去ってください!

 

Al seno d'un padre

父の胸の中に

 

La figlia rendete;

娘を返してください;

 

Struggete struggete, 

滅ぼして、滅ぼして

 

struggete le squadre dei nostri oppressor! Ah!

我らを迫害する軍を滅ぼしてください! ああ!

 

Sventurata che dissi?... e l'amor mio?

哀れな女、なんてことを言ったの? ・・・それで、私の恋する人を

 

Dunque scordar poss'io

私は忘れることができるの?

 

Questo fervido amore che, oppressa e schiava,

この燃えるような愛、哀れな奴隷の愛を、

 

Come raggio di sol qui mi beava?

太陽の光のように私を喜びに満たしてくれた愛を?

 

Imprecherò la morte a Radamès...

ラダメスの死を求めるなんて・・・

 

a lui ch'amo pur tanto?

彼をこんなにも愛しているのに?

 

Ah! non fu in terra mai

ああ、この地に

 

Da più crudeli angosce un core affranto.

このような苦悶に満ち張り裂ける心は存在しなかったでしょう。

 

I sacri nomi di padre, d'amante

尊き父と愛人を

 

Né profferir poss'io, né ricordar;

語ることもできず、思うこともできない;

 

Per l'un... per l'altro... confusa, tremante,

父に対しても、愛する人に対しても、私は混乱し、身震いする、

 

Io piangere vorrei, vorrei pregar.

私は泣きたい、祈りたいのに。

 

Ma la mia prece in bestemmia si muta...

しかし私の祈りは呪いに変わる・・・

 

Delitto è il pianto a me, colpa il sospir...

私の涙は罪深く、ため息もまた罪になる・・・

 

In notte cupa la mente è perduta,

私の心は苦しみに満ちた夜をさまよい

 

E nell'ansia crudel vorrei morir.

残酷な苦悩の中で私は死を願う。

 

Numi, pietà del mio soffrir!

神よ、我が苦しみに哀れみを与えたまえ!

 

Speme non v'ha pel mio dolor.

私の望みなき苦しみに!

 

Amor fatal, tremendo amor,

宿命の愛、恐ろしい愛が、

 

Spezzami il cor, fammi morir!

私の心を引き裂く、私を死なせてください!

 

Numi, pietà del mio soffrir! 

神よ、我が苦しみに哀れみを与えたまえ!

 

ah! pietà, Numi, pietà del mio soffrir, 

ああ!哀れみを、神よ、我が苦しみに哀れみを与えたまえ

 

Numi, pietà del mio soffrir, 

神よ、我が苦しみに哀れみを与えたまえ

 

Numi, pieta del moi soffrir !

神よ、我が苦しみに哀れみを与えたまえ!

 


 

第2場:メンフィスの火の神の神殿

神殿の中での司祭や巫女たちの異国情緒満点の歌とダンス。ラダメスは聖なる武器を受け取る。

 

第2幕

 

第1場:王宮アムネリスの居室

エジプト軍は戦いに勝ち、アムネリスは凱旋者を迎える支度をしている。侍女たちの合唱に囲まれてラダメスに対する甘い愛の想いを独白する。アムネリスがこの部分を極めてソフトに歌うと彼女の純粋な愛への想いが際立つ。

 

彼女はアイーダを呼び、彼女がラダメスの恋人かどうかを確かめる。そして王女の力を見せつけるべく、凱旋の場に赴く。アイーダ は力なく慈悲を願う。

 

第2場:テーベの街の入り口

有名な凱旋の場。ラダメスは勝利の将軍として凱旋する。捕虜たちの中にアイーダの父(王の身分は隠している)がいることを知り、自分への褒美の代わりに捕虜たちの自由を王に願う。ランフィスをはじめとする司祭たちは反対するが、王はラダメスの願いを叶える。そしてラダメスに娘アムネリスを与えると宣言する。ラダメスは何も言い返せない。

METの豪華な「凱旋の場」


 

第3幕:ナイル川のほとり

アムネリスはランフィスとともに神殿の中に入り婚礼前の祈りを捧げている。アイーダ は神殿の前でラダメスを待っている。そして二度と帰ることのない美しい祖国への想いを歌う (“O patria mia” 「おお、我が祖国」)。

Anja Harteros 2015

AIDA

O patria mia, mai più mai più ti revedrò! 

おお、我が祖国!二度と見ることはないだろう!

 

mai più, mai più ti revedrò! 

決して、決して見る事はない!

 

O cieli azzurri, o dolci aure native, 

青い空、故郷の優しいそよ風も、

 

Dove sereno il nio mattin brillò, 

故郷では朝の光が穏やかに輝いていた、

 

O verdi colli, o profumate rive, 

緑なす丘、岸辺の香り、

 

O patria mia, mai più ti revedrò! 

おお、我が故郷、二度と見ることはないだろう!

 

O patria mia, mai più! 

おお、我が故郷、決して!

 

Ah! mai piu, mai più ti revedrò!

ああ、決して、決して見ることは無いだろう!

 

O patria mia, o patria mia,

おお、わが故郷、我が故郷、

 

mai più ti revedrò!

二度と見ることはない!

 

mai più, no no mai più, mai più 

決して、決して、決して。

 

O fresche valli, o queto asil beato, 

おお、涼しげな谷間、神聖で穏やかな安らぎの場、

 

Che un dì promesso dall'amor mi fu; 

かつて我が恋人が約束してくれた地だったが、

 

Or che d'amore il sogno è dileguato, 

今はその愛の夢も消え失せた。

 

O patria mia, non ti vedrò mai più!

おお、わが故郷、二度と見ることはないだろう!

 

O patria mia, non ti vedrò mai più!

おお、わが故郷、二度と見ることはないだろう!

 

no, mai più~~~~ non ti vedrò 

いいえ、決して〜〜〜決して見ることはない。

 

non ti vedrò mai più!

二度と見ることはない!

 

O patria mia, mai più! ti vedrò

おお、我が故郷、二度と見ることはない 

 


そこにアモナズロが現れアイーダに 「エジプト軍が攻撃に使う道をラダメスから聞き出せ」 と迫る。アイーダ は結局父の言うままに、後からやってきたラダメスを言いくるめ道を聞き出す。

 

その時神殿からアムネリスやランフィスたちが現れ、アムネリスは「裏切り者!」と叫ぶ。アモナズロとアイーダ は逃げ出すが、ラダメスは逃げずランフィスに自分の身を預ける。

 

第4幕: 

 

第1場:王宮内の広場

ラダメスは捕らえられた。一方アモナズロは殺され、アイーダ は行方知れずになっている。アムネリスはラダメスを呼び出し「自分を愛してくれるならあなたを助けよう、生きてくれ」と頼む。しかし彼は彼女の願いをキッパリと退ける。

王宮地下で司祭たちは彼を告発するが彼は一言も弁明せず死刑は確定する。その裁判を聴きながらアムネリスは自らを責め懊悩する。誇りをかなぐり捨てた彼女は地下から出てきたランフィスに彼の無罪を訴えるがすげなく却下される (この場面はアムネリス役の腕の見せ所)。

Tokyo, 1973 フィオレンツァ・コソット

日本語字幕つき


 

第2場:火の神の神殿の中 ラダメスの墓 (舞台は上の神殿、下の地下牢に分けられている)

ラダメスは地下牢に入れられ、扉は石で閉じられる。すると人の気配がする。アイーダがこの刑を予想して予め地下牢に潜んでいたのだ。二人はお互いの愛を確認しつつ「おお大地よさらば、さらば涙の谷よ」とこの世に別れを告げる美しい二重唱を歌う。

MET 1989 Placido Doming, Aprile Milo, Dolora Zajick 

SACERDOTESSE (巫女達)  合唱歌詞の多くは省略

Immenso, immenso Fthà, del mondo

偉大なる、偉大なるプター、この世に

 

Spirito animator...

生気を与える精霊よ・・・

 

AIDA

Triste canto!

悲しい歌!

 

RADAMÈS

Il tripudio Dei Sacerdoti.

司祭たちが歓喜している。

 

AIDA

Il nostro inno di morte.

私たちの死への賛歌ね。

 

RADAMÈS

Né le mie forti braccia

私の強い腕を持ってしても

 

Smuoverti potranno, o fatal pietra!

動かせない、死の石よ!

 

AIDA

Invan!... tutto è finito

無駄よ!・・。全てが終わっているの

 

Sulla terra per noi.

私たち、この地では。

 

RADAMÈS

È vero! È vero!

そうだ!そうだな!

 

AIDA 

O terra, addio; addio, valle di pianti...

おお、大地よ、さらば、さらば涙の谷よ・・・

 

Sogno di gaudio che in dolor svanì.

喜びの夢は苦痛の中に消える。

 

A noi si schiude, si schiude il ciel, si schiude il ciel e l'alme erranti

私たちには天国が開かれ、彷徨える魂は

 

Volano al raggio dell'interno dì.

永遠の日の輝きへと飛んでゆく。

 

RADAMÈS & AIDA

O terra, addio; addio, valle di pianti...(O terra addio)

おお、大地よ、さらば、さらば涙の谷よ・・・(大地よさらば

 

Sogno di gaudio che in dolor svanì.(a noi si schiude,)

喜びの夢は苦痛の中に消える。(私たちに開かれている)。

 

A noi si schiude, si schiude il ciel, (si schiude il ciel)

私たちには天国が開かれ (天国が開かれている

 

si schiude il ciel e l'alme erranti  (si schiude il ciel,)

天国が開かれ、彷徨える魂は (天国が開かれている

 

Volano al raggio dell'interno dì.  (a noi si schiude il ciel)

永遠の日の輝きへと飛んでゆく (私たちには天国が開かれている

 

SACERDOTI, SACERDOTESSE (司祭と巫女達)

Immenso Fthà, noi t'invochiam! noi t'invochiam! t'invochiam!

偉大なるプターよ、我らはあなたに呼びかける!

 

AIDA E RADAMÈS

Ah! si schiude il ciel.

ああ、天国が開かれる

 

O terra, addio; addio, valli di pianti...

おお大地よ、さらば、さらば涙の谷よ・・・

 

AMNERIS

Pace t'imploro...

平安を祈ります・・・

 

AIDA E RADAMÈS

Sogno di gaudio che in dolor svanì.

喜びの夢は苦痛の中に消える。

 

AMNERIS

... salma adorata;

我が愛おしき骸(むくろ)に

 

AIDA E RADAMÈS

A noi si schiude, si schiude il ciel...

私たちには天国が開かれている・・・

 

AMNERIS

Isi placata...

イシスよ 我が慰めよ・・・

 

AIDA E RADAMÈS

... si schiude il ciel e l'alme erranti...

天国は私たちに開かれている、そしてさまよう魂は・・・

 

Volano al raggio dell'interno dì.

永遠の日の輝きへと飛んでゆく

 

AMNERIS

Isi placata, Isi placata,ti schiuda il ciel!

イシス、我が慰めよ、あなたに天国が開かれんことを!

 

AIDA E RADAMÈS

il ciel..., il ciel..., il ciel..., il ciel...,

天国・・・

 

AIDA E RADAMÈS

... si schiude il ciel! ... si schiude il ciel!

天国が開かれる

 

AMNERIS

Pace t'imploro, pace t'imploro,

平安を願います、

 

... pace, pace...... pace!

平安を

 

SACERDOTI, SACERDOTESSE (司祭と巫女達)

Immenso Fthà!

偉大なるプターよ!

 


一方アムネリスは地下牢の扉の石の上に身を置きラダメスのために祈っている。巫女と司祭たちの合唱、アイーダとラダメスの二重唱が重なりアムネリスの祈りの声とともに静かに幕が降りる。

(2020.07.18 wrote) オペラ解説に戻る