オペラ解説:「カヴァレリア・ルスティカーナ」 "Cavalleria Rusticana" ピエトロ・マスカーニ作曲

 

1)題名は「田舎の騎士道」。シチリアの田舎で繰り広げられるどろどろの愛憎劇。「道化師」と共に現在まで残る有名なヴァリズモ(現実主義)オペラの一幕物。マスカーニはこのオペラで楽譜出版社主催のオペラ・コンクールに優勝し、作曲家として一躍有名になる。

 

2)シチリアという場所がポイントのオペラ。ヴィスコンティ監督による有名な映画「山猫」を見ればわかるように、この地は女性の貞操に関して超保守的である。またマフィア発祥の地で名誉・復讐をことさら重んじる気風がある。

 

サントゥッアは結婚前なのにトゥリッドと情を通じてしまった。だからトゥリッドが結婚してくれなければ他に結婚してくれる男はいない。また頼りにできる実家もなさそうである。サントゥッアの将来は真っ暗で彼女は精神的に追い詰められている (“Voi lo sapete, o mamma,”「お母さんもご存じのとおり」)

 

一方、妻ローラをトゥリッドに寝取られたアルフィオは面子を完全につぶされており、復讐しなければ男と認められない (”vendetta avrò” 「復讐するぜ」)。

 

またトゥリッドは例え決闘でアルフィオに勝ったとしても、アルフィオの子分から執拗に命を付け狙われることは確か。母にも危害が及ぶであろう。トゥリッドがアルフィオに殺されなければ収まりが付かず、それはトゥリッド自身よくわかっている (”Mamma, quell vino e generoso” 「母さんあの酒は強いね」)

 

・・・・という流れなのである。

 

3)ロッシーニオペラなどの歌い方と全く異なりむき出しの激情をほとばしらせて歌う。歌手達は激情に我を忘れて歌っているように見えなければならない。しかしテノールが「カヴァレリア」のトゥリッドと「道化師」のカニオを二本立てで同じ日に歌う場合等は、歌手自身が激情に溺れてはいけない。舞台に出ている間自己の状態を見極め冷静な計算をし続けなければ最後まで歌いきることができず途中で声を失う危険性がある。

 

4)どろどろストーリーのオペラに対し音楽が極めて美しい。間奏曲は非常に有名。この間奏曲は「アヴェ・マリア」という歌曲にもなっている。(ガランチャが歌うアヴェ・マリア

 

5)このオペラはしばしば映画に使われる。「ゴッドファーザー、Part 3」は特に有名である。このオペラそのものの上演が映画の内容と絡み合いながら進行する。特に印象的なのは「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲の使い方。

 

コルリオーネ一家の長マイケルの息子がシチリアの歌劇場で「カヴァレリア・ルスティカーナ」トゥリッド役を歌い終えた後、マイケルの愛娘メアリ殺害の場面からマイケルの死に至るファイナルシーンの間このオペラの間奏曲がゆっくりと流れる。

 

蛇足: 映画でメアリが殺されたとき後ろで女が ”Hanno ammazzato signorina Maria” 「マリア(メアリ)が殺された(直訳、奴らがマリアを殺した)」と叫んでいるが (と私には聞こえる。1:55位から聞いてみて下さい)、オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の最後で女が叫ぶ ”Hanno ammazzato compare Turiddu”「トゥリッドが殺された(直訳、奴らがトゥリッドを殺した)」という台詞と重なる・・・。

 

追記:このオペラでは最後に”Hanno ammazzato compare Turiddu”という悲鳴が二回繰り返される演出が多い。ゴッドファーザーでも”Hanno ammazzato (signorina) Maria” というセリフが初めは短く(1:26くらい) 次は (1:59くらい)はっきりと二回繰り返されてます。凝ってます。


第1幕 前半

シチリア島のとある村。復活祭の日。

 

叙情的な前奏曲に続きトゥリッド(テノール)が不倫相手ローラ(ソプラノ)への愛を歌うシチリアーナで始まる。若きドミンゴの歌で。

村人が春の田園の美しさを合唱する。

 

そこへサントゥッア(ソプラノ又はメゾ)が現れルチア(アルト)に息子のトゥリッドがどこにいるか尋ねる。サントゥッアは自分がトゥリッドと婚約し関係もできてしまったのに、彼のかっての恋人ローラが再び彼とよりを戻し二人が不倫していることを告げる。

 

その絶望的な嫉妬・焦燥・怒りを歌うのが “Voi lo sapete, o mamma,”「お母さんも知るとおり」。ワルトラウト・マイヤーの歌と迫力有る演技で。

歌詞対訳:「お母さんも知るとおり」 

サントゥッツァ

Voi lo sapete, o mamma, 

お母さんも知っているように、

 

Prima d'andar soldato, 

兵隊に行く前、

 

Turiddu aveva a Lola Eterna fè giurato. aveva a Lola  Eterna fè giurato. 

トゥリッドはローラと将来を誓い合っていたの。

 

Tornò, la seppe sposa; 

だけど兵隊から帰ったら彼女は結婚していた;

 

E con un nuovo amore 

彼は新しい愛で

 

Volle spegner la fiamma. Che gli bruciava il core: 

恋の炎を消したかったのよ。心の中に燃えさかる火を:

 

M'amò, l'amai. l'amai. Ah! l'amai. 

あたしはあの人を愛し、彼もあたしを愛したの!ああ、彼もあたしを愛したの!

 

Quell'invidia d'ogni delizia mia, 

彼女はあたしの幸福に嫉妬し、

 

Del suo sposo dimentica, 

夫を忘れ、

 

Arse di gelosia... Arse di gelosia... 

嫉妬して・・・

 

Me l'ha rapito... Me l'ha rapito... 

あたしから彼を奪ったの・・・

 

Priva dell'onor mio,

あたしの名誉は失われ、

 

dell'onor mio rimango: 

名誉を無くしたあたしは取り残された:

 

Lola e Turiddu s'amano, Lola e Turiddu s'amano, 

トゥリッドとローラは愛し合っています、

 

Io piango, io piango, io piango!

あたしは泣くだけ、泣くだけなの!

 

ルチア

Miseri noi,

惨めだねえ、

 

Che cosa vieni a dirmi

あたしにこんな事を言いにくるなんて

 

In questo santo giorno? 

神聖なお祝いの日なのに。

 

サントゥッツァ

lo son dannata... lo son dannata...

あたしは地獄に落ちているの・・・

 

Andate, o mamma, Ad implorare Iddio,

お母さん、神様に御願いして、

 

E pregate per me.

あたしの為に祈ってちょうだい。

 

Verrà Turiddu, Vo' supplicarlo.

トゥリッドが来たら、御願いするわ。

 

 

Un'altra volta ancora, 

もう一回ね、

 

Vo' supplicarlo Un'altra volta ancora! 

御願いするわ、もう一回ね!

 

ルチア

Aiutatela voi, Santa Maria!

この子をお助け下さい、聖母マリア様!

 

 

 

 

 


 

するとトゥリッドがやってくる。彼女は彼を責め自分を捨てないよう懇願するが彼はうるさそうに彼女を追いやろうとするだけ。途中でやってきたローラにも皮肉をいわれた彼女は完全に切れ、最後彼に呪いのことばを投げつける。・・・という状況を引き続きアラーニャとセメンチェクの二重唱で。 

歌詞対訳:サントゥッツァとトゥリッドの二重唱 (楽譜に準拠させています)

部分版は削除されたので、新たに全曲版を。この37:09あたりから2重唱が始まります。

 

TURIDDU 

Tu qui, Santuzza? 

ここにいたのか、サントゥッツァ?

 

SANTUZZA 

Qui t'aspettavo. 

あんたを待っていたのよ。

 

TURIDDU 

È Pasqua, In chiesa non vai? 

イースターなんだぜ、教会に行かないのかい?

 

SANTUZZA 

Non vo. Debbo parlarti... 

いいえ。あんたと話さなくっちゃ・・・

 

TURIDDU 

Mamma cercavo. 

お袋をさがしていたんだよ。

 

SANTUZZA 

Debbo parlarti... 

あんたと話さなくっちゃ・・・

 

TURIDDU 

Qui no! Qui no! 

ここじゃいやだね!

 

SANTUZZA 

Dove sei stato? 

どこに行ってたの?

 

TURIDDU 

Che vuoi tu dire? A Francofonte! 

何言ってるんだい?フランコフォンテさ!

 

SANTUZZA 

No, non è ver! 

いいえ、嘘だわ!

 

TURIDDU 

Santuzza, credimi... Santuzza, credimi... 

サントゥッツッァ、信じてくれよ・・・

 

SANTUZZA 

No, non mentire; 

いいえ、嘘は言わないで、

 

Ti vidi volger Giù dal sentier... 

あたし向こうから帰ってくるのを見たんだから・・・

 

E stamattina, all'alba, 

今日の明け方、

 

T'hanno scorto Presso l'uscio di Lola. 

あんたがローラの家のドアの前にいるのを見たひとがいるのよ。

 

TURIDDU 

Ah! mi hai spiato? 

はっ!俺をスパイしてたのか!

 

SANTUZZA 

No, te lo giuro. 

いいえ、誓って違うわ。

 

A noi l'ha raccontato Compar Alfio 

そのことを話したのはアルフィオさんよ

 

Il marito, poco fa.

彼女の旦那、ちょっと前にね。 

 

TURIDDU 

Cosi ricambi L'amor che ti porto? 

それがお前を愛した俺へのお返しかい?

 

Vuoi che m'uccida? 

お前は俺を殺したいのかい?

 

SANTUZZA 

Oh! questo non lo dire... 

ああ、そんなこと言わないで・・・・

 

TURIDDU 

Lasciami dunque, lasciami; 

それなら放っておいてくれ、放っておいてくれ!

 

Invan tenti sopire 

俺を抑えようたって無駄だぜ

 

Il giusto sdegno Colla tua pietà. 

お前が御願いしたって、おれが怒るのは当然だって

 

SANTUZZA 

Tu l'ami dunque? 

じゃ、あんたあの人を愛しているの?

 

TURIDDU 

No...   いいや・・・

 

SANTUZZA 

Assai più bella È Lola. 

ローラはずっと美人だもんね。

 

TURIDDU 

Taci, non l'amo. 

だまってろよ、愛しちゃいないさ。

 

SANTUZZA 

L'ami... L'ami... Oh! maledetta! 

愛してるんだわ・・・・畜生!

 

TURIDDU 

Santuzza!  サントゥッツァ!

 

SANTUZZA 

Quella cattiva femmina 

あの性悪女は

 

Ti tolse a me! 

あたしからあんたを奪った!

 

TURIDDU 

Bada, Santuzza, 

気をつけな、サントゥッツァ

 

Schiavo non sono 

おれはお前の奴隷じゃないんだぜ

 

Di questa vana Tua gelosia! 

嫉妬に狂ったうぬぼれ屋なお前の!

 

SANTUZZA 

Battimi, insultami,

あたしをぶって、 馬鹿にしてよ、

 

T'amo e perdono, 

あたしはあんたを愛してる、あんたを許すから、

 

Ma è troppo forte L'angoscia mia、

Ma è troppo forte L'angoscia mia、

あたしの心の痛みはそれは強いのよ。

 

L'angoscia mia。

あたしの心の痛みは。

 

TURIDDU 

Bada, Santuzza, 

気をつけな、サントゥッツッァ

 

Schiavo non sono 

おれはお前の奴隷じゃないんだぜ

 

Di questa vana Tua gelosia! 

嫉妬に狂ったうぬぼれ屋なお前の!

 

SANTUZZA 

Battimi, insultami,

あたしをぶって、 馬鹿にしてよ、

 

T'amo e perdono, 

あんたを愛してる、あんたを許すから、

 

me a è troppo forte L'angoscia mia、

あたしの心の痛みはそれは強いのよ。

 

(二人一緒に歌う) 

(S) Ma è troppo forte L'angoscia mia、è troppo forte L'angoscia mia、  あたしの心の痛みはそれは強いのよ。

 

(T) Bada, Santuzza, Schiavo non sono Di questa vana Tua gelosia!   気をつけな、サントゥッツッァおれはお前の奴隷じゃないんだ 嫉妬に狂ったうぬぼれ屋なお前の!

 

ローラが来る(以下コンサート等では省略される部分)

LOLA 

Fior di giaggiolo, 

アヤメの花、

 

Gli angeli belli Stanno a mille in cielo, 

美しい天使は天国に沢山居るけれど、

 

Ma bello come lui Ce n'è uno solo. 

彼のように美しい人は一人しか居ない。

 

Fior di giaggiolo, 

アヤメの花、

 

Gli angeli belli Stanno a mille in cielo, 

美しい天使は天国に沢山居るけれど、

 

Ma bello come lui Ce n'è uno solo. 

彼のように美しい人は一人しか居ない。

 

Ah! Ah! Ah! Ah! Fior di giaggiolo, 

ああ、ああ、アヤメの花、

 

Oh! Turiddu... È passato Alfio? 

あら、トゥリッド・・・アルフィオは?

 

TURIDDU 

Son giunto ora in piazza. Non so... 

いまここに来たところさ、知らないよ・・・

 

LOLA 

Forse è rimasto Dal maniscalco, 

多分鍛冶屋のところよ、

 

Ma non può tardare. 

でもそんなに遅くならないでしょ。

 

E... voi 

あら・・・、あんた

 

Sentite le funzioni in piazza? 

ここでミサを聞くの?

 

TURIDDU 

Santuzza mi narrava... 

サントゥッツッァが話してるから・・・

 

SANTUZZA 

Gli dicevo che oggi è Pasqua 

今日がイースターだって話してたのよ

 

E il Signor vede ogni cosa! 

神様は全て見ていらっしゃるって!

 

LOLA 

Non venite alla messa? 

ミサには行かないの?

 

SANTUZZA 

Io no, ci deve andar chi sa 

いいえ、行けるのは

 

Di non aver peccato.

罪がないと知っている人だけよ。 

 

LOLA 

Io ringrazio il Signore 

あたしは神に感謝して

 

E bacio in terra. 

地にキスするわ。

 

SANTUZZA 

Oh, fate bene, fate bene, Lola! 

あら、あなたはいい人ですもんね、ローラ!

 

TURIDDU 

Andiamo, andiamo! 

行こう、行こう!

 

Qui non abbiam che fare. 

ここに居る必要はないさ。

 

LOLA 

Oh! rimanete! 

あら、ここに居れば?

 

SANTUZZA 

Sì, resta, resta, 

そうよ、ここに居て、ここに居て、

 

Ho da parlarti ancora! 

話すことがもっとあるのよ!

 

LOLA 

E v'assista il Signore: 

神様はあなたと共にある、と

 

Io me ne vado. 

私は行くわ、

(コンサート等ではローラの登場からここまでを省略することが多い)

 

TURIDDU 

Ah! lo vedi, Che hai tu detto...? 

ああ!お前わかってるのかい、なんてことを言っちまったか・・・?

 

SANTUZZA 

L'hai voluto, e ben ti sta. 

あんたの望んだことでしょ、その通りになったのよ。

 

TURIDDU 

Ah! perdio!  ああ、なんてこと!

 

SANTUZZA 

Squarciami il petto!  あたしを引き裂いたら!

 

TURIDDU 

No!  そんなことするか!

 

SANTUZZA 

Turiddu, ascolta! 

トゥリッド、聞いて頂戴!

 

TURIDDU 

Va!  行けよ!

 

SANTUZZA 

Turiddu, ascolta! 

トゥリッド、聞いて頂戴!

 

TURIDDU 

Va!  行けよ!

 

SANTUZZA 

Turiddu, ascolta! 

トゥリッド、聞いて頂戴!

 

SANTUZZA 

No, no, Turiddu, Rimani rimani ancora. 

ねえ、ねえ、トゥリッド、ここに居て。

 

abbandonarmi Dunque tu vuoi? 

あたしを捨てたいの?

 

TURIDDU 

Perché seguirmi, 

なんで俺につきまとうんだ、

 

SANTUZZA 

No, no, Turiddu,

いいえ、違うわトゥリッド、

 

TURIDDU 

Perché spiarmi, 

なんで俺をスパイするんだ、

 

(二人一緒に歌う) 

(S) rimani ancora, dunque tu vuoi abbandonarumi? ここに居て、あたしを捨てたいの? 

 

(T) Sul limitare fin della chiesa? 教会の前で

 

SANTUZZA 

No, no, Turiddu, rimani rimani ancora,

ねえ、ねえ、トゥリッド、ここに居て、

 

(二人一緒に歌う) 

(S) no, Turiddu, Turiddu, rimani ancora!  いいえ、違うわ、トゥリッド、ここに居て

 

(T) Perché seguirmi, Perché spiarmi,  なんでつきまとってスパイするんだ、

 

SANTUZZA

La tua Santuzza Piange e t'implora; 

あんたのサントゥッツァが、泣いて御願いしてんのよ。

 

Come cacciarla Così tu puoi,

それなのにこんな風に追いやれるの?

 

la tua Santuzza? 

あんたのサントゥッツァを?

 

TURIDDU

Va, ti ripeto, いっちまえ!言っただろ、

  

Va, non tediarmi, 

いっちまえ!いらいらさせるなよ、

 

(二人一緒に歌う) 

(T) Pentirsi è vano Dopo l'offesa!  後悔してもむださこんな事をやっちまった後で!

 

(S) No, Turiddu, rimani ancora!  いいえ、トゥリッド、ここにいて!

 

SANTUZZA 

Oh! Turiddu!

ああ、トゥリッド、

 

TURIDDU 

Non tediarmi!

じゃますんな!

 

SANTUZZA 

No, Turiddu, rimani ancor! 

いやよ、トゥリッド、ここに居て!

 

Va! - No!, - Va! - Turridu! - Va!

行け!- いやよ!- 行け!-トゥリッド!- 行け!

 

(二人一緒に歌う) 

(S) Ah! no, Turiddu, rimani, rimani  ancora, ancor!  いやよ、トゥリッド、ここに居て! 

 

(T) Va, ti ripeto, non tediarmi, pentrisi è vano, dopo l’offesa  行っちまえ!言っただろ、いらいらさせるなよ、 後悔してもむださ、こんな事をやっちまった後で!

 

TURIDDU

pentirsi è vano, dopo l’offesa!

後悔してもむださこんな事をやっちまった後で!

 

Va- No, - va, - no, - va! - no!

行け - いやよ- 行け - いやよ- 行け! - いやよ!

 

SANTUZZA

La tua Santuzza piange e t’implora;

あんたのサントゥッツッァが泣いて御願いしてんのよ。

 

come caccarla,  何で追いやるの、

 

TURIDDU

Va, ti ripeto,  行け!言っただろ、

 

SANTUZZA 

come caccarla, tu puoi?

こんな風に追いやれるの?

 

TURIDDU

Va! pentirsi è vano dopol’offesa!

行け!後悔してもむださこんな事をやっちまった後で!

 

SANTUZZA

La tua Santuzza piange e t’implora;

あんたのサントゥッツッァが泣いておねがいしてんのよ。

 

come caccarla, 

何で追いやれるの、

 

TURIDDU

Va, Va!  行け!行け!

 

SANTUZZA

Cosi tu puoi, こんなことするなんて!

 

(二人一緒に歌う) 

 (S) tu puoi cosi, ah,dunque tu vuoi abbandonarmi? あんたがこんな事を、 ああ!あたしを捨てたいの?

 

(T) ti ripeto, va, ah, va, ti ripeto, va, non tediarmi!

言ったろ、行け!ああ、行け、言ったろ、行け! いらいらさせんな!

 

(二人一緒に歌う) 

(S) Ah!, no, Turiddu, rimani, rimani ancora, dunque vuoi abbandonarmi,  ああ、いやトゥリッド、ここに居て!あたしを捨てたいの、

 

(T) Va!  行け! Pentirsi è vano, dopo l’offesa! Pentirsi è vano, dopo l’offesa!  後悔してもむださこんな事をやっちまった後で!

 

SANTUZZA 

Bada! 

気を付けるんだわね!

 

TURIDDU 

Dell'ira tua non mi curo! 

お前の怒りなんて俺にゃ屁でもないさ!

 

SANTUZZA 

A te la mala Pasqua, spergiuro! 

あんたのイースターは呪われな、裏切り者!

 

 

 


 

彼女は屈辱感にまみれ怒りのあまり、そこにやってきたローラの夫アルフィオ(バリトン)に二人の不倫を告げ口する。アルフィオは復讐を誓う。

 

この様に劇的な展開が続く場面の後、観客の緊張を静めるように美しい間奏曲が流れる。

 

第1幕 後半

幕が開くと教会のミサが終わり、人々が陽気に酒を飲もうと集まってくる。そこでトゥリッドが歌う乾杯の歌。Salvatore Licitraの歌でどうぞ。

 

そこへアルフィオがやってくる。彼に不倫を知られたことを悟ったトゥリッドは彼の耳を噛んで決闘を申し込む。

 

その後トゥリッドは母の所へ行き、酒に酔った振りをして母にそれとなく別れを告げ、サントゥッアの面倒を見てくれるよう頼んで歌うのが ”Mamma, quell vino e generoso” 「母さんあの酒は強いね」

 

歌の歌詞と日本語訳を付けました。こちらのページにも同じ対訳が有ります。

歌詞対訳:「母さんあの酒は強いね」

TURIDDU 

Mamma, Mamma,

母さん、母さん、

 

quel vino è generoso, e certo

あの酒は強いね、

 

oggi troppi bicchieri ne ho tracannati.

今日は何杯も飲み過ぎた。

 

Vado fuori all'aperto,..

外に出て行くよ、・・・

 

ma prima voglio che mi benedite

だけどその前に俺を祝福しておくれ

 

come quel giorno che partii soldato.

俺が出征したあの日のように。

 

E poi,... mamma,... sentite,

それから・・母さん・・・聞いておくれ、

 

s'io non tornassi, s'io non tornassi...

俺が帰らなかったら・・・

 

voi dovrete fare da madre a Santa,

サンタの母さんになってやっておくれ、

 

ch'io le avea giurato di condurla all'altare.

俺はあの子を祭壇につれてゆくと(結婚すると) 誓ったんだ。

 

voi dovrete fare da madre a Santa,

サンタの母さんになっておくれ、

 

s'io non tornassi.

俺が帰らなかったら。

 

Oh! nulla!

ああ、!なんでもないさ!

 

è il vino che m'ha suggerito! m'ha suggerito il vino!

ワインのせいだよ!ワインのせいなのさ!

 

Per me pregate Iddio! per me pregate Iddio!

俺のために神様に祈っておくれ!

 

Un bacio, un bacio, mamma!

キスしてよ、キスしてよ、母さん!

 

Un altro bacio,  un altro bacio!

もう一度キスして,もう一度キスしておくれ!

 

Addio!...

さよなら!・・

 

S'io non tornassi,  fate da madre a Santa,...

俺が帰らなかったら, サンタの母さんになっておくれ、・・

 

Un bacio, mamma!

もう一度キスしておくれ!

 

addio!...

さよなら!・・

 

 

 

 

 


 

トゥリッドは決闘に出て行く。しばらくすると裏手から「トゥリッドが殺された!」という叫びがあがり、人々が驚いている間に幕が下りる。(2017.12.30. wrote)

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