映画とオペラ 7:「ショーシャンクの空」 (The Shawshank Redemption)  1994年〜 「フィガロの結婚」〜

第67回アカデミー賞7部門ノミネート作品。主役アンドリュー・デュフレーン(アンディ)をティム・ロビンズ、刑務所での彼の友人レットをモーガン・フリーマンが演じました。一言で言えば現代版「モンテ・クリスト伯」。

 

"冤罪と主張するも聞き入れられずショーシャンク刑務所送りになったアンディは刑務所の図書係に配置され、古本などの中に一枚のレコードを発見します。彼はこのレコードをかけて音楽を刑務所中に流してしまいます。"

 

その時流されたアリアはモーツアルト作曲「フィガロの結婚」第3幕の「手紙の二重唱」。伯爵夫人がグンドラ・ヤノビッツ、スザンナがエディト・マティスだそうです。

 

この場面のアリアは、ヴェルディやプッチーニ、ワーグナーではいけません。ヴェリズモのアリア?とんでもない!ロッシーニもだめ。モーツアルトのこの音楽がぴったりはまります。

 

ソプラノ二人によって歌われるこのアリアは混じりけが無い清らかで透き通る様な美しさがあります。その声が届くのは地獄の泥沼ともいえるショーシャンクの刑務所。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を連想してしまいました。そう、この二重唱はまさに天から地獄へ送られた天使の声!上手い歌を選んだものです。

 

天国から投げかけられた一筋の光とも思える天使の音楽に、オペラのオの字も知らない男達は無言で聞き入るのです。

 

 

超一流の歌手が歌うこの二重唱は聞いているだけでうっとりとします。やはりグンドラ・ヤノビッツとルチア・ポップの歌でこのアリアをどうぞ。日本語字幕付きです。

(2020.02.11. wrote) おたく記事に戻る