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2024.12.31

今年も終わります。皆様良いお年をお迎えください。

 

2024.12.19

Operawireによる今年のオペラベスト10を読んで

 https://operawire.com/best-of-2024-operawires-team-on-the-best-performances-of-the-year/

 

Operawire評論家チームが最高と思う公演を取り上げています。オペラ公演をさまざまな角度から捉えて評しています。なかなかに面白かったので興味のある方はどうぞご覧ください。

 

ヨナス・カウフマンに関連したオペラもいくつか取り上げられていました。

 

1. Mike Hardy :「アンドレア・シェニエ」公演ROH (RBOと書かなくちゃいけないか、、、、)。

「病気が続いたヨナス・カウフマンではあるが、この公演では以前の彼の最高の状態に戻った」 と書かれています。ROHを去るSir Antonio Pappanoの最後の公演でした。

 

日本でもROHシネマで録画が上演されたのでご覧になった方も多いはず。前回に比べ”年取ったなあ”感のあるカウフマンでしたが、とても感動的なシェニエでした。この役は彼に合っています。

 

2. David Salazar : 最高の舞台として挙げられてはいませんが、文章の中でナポリの「ジョコンダ」を取り上げています。「初演は酷かったけれど、2回目の公演の素晴らしさにノックアウトされた」、と書いています。

 

日本では1&3回目の公演録画がプレミアムシアターで放送されましたが、なかなかに素晴らしかったです。おそらく3回目の録音を主に使ったに違いない(単なる憶測)。しかし欧米では未だ正式に放送されていない録画を日本語字幕付きで日本で最初に見られるなんて幸運です。

 

そういえばプレミアムシアターで今年7月に放送されたカウフマンの”Doppelganger”もまだ欧米では放送されてないのではないかなぁ。NHKがんばれ!

 

3. Francisco Salazar : 「運命の力」公演 スカラ座

いつの時代でも戦争は本質的に同じだ、というコンセプトをバックボーンにした復讐劇でした。カウフマンが出演してくれればもっと印象深かったかもしれないという個人的な思いもあります。

 

「ネトレプコは表現力に裏打ちされた真の音楽性を発揮、テジエは音楽的にもテクニカル的にも熟練の技を披露、ジェイドは高音が豊か、ヴァシリサ・ベルジャンスカヤとアレクサンダー・ヴィノグラードは脇役として傑出していた。」と書かれています。

 

この意見に賛同。カウフマンが出演しなくてもとても良い舞台だったと感じました。おそらくプレミアムシアターがこの公演を放送してくれるでしょう。

 

ちなみにF. SalazarさんはMETの「影のない女」を「運命の力」と同等に評価しておられ、「今シーズンHDに値するただ一つの公演がレコーディングされなかったのは悲しいことだ。」と書いておられます。激しく同意。(2024.12.19 wrote)

 

2024.12.12

最近のインタビュー記事を読んで

 

Tiroler Festival Erlのディレクターとなったヨナス・カウフマンがインタビューに答えています。私の興味を引いた点とその感想を述べています。

 

1. カウフマンの声域の広さに関して(1)

 

「僕の声域はとても広く、低音は低いDまで出る。」 と言っていますが、この低音はバス歌手でも美しく出すのが大変な音だと思います。

 

「若い頃は『魔笛』夜の女王の高音Fを頭声で簡単に出せた。」そうです。最も男性ですから本物の女声の高声より1オクターブ低いとは思いますけど。。。

 

「現在そんな高音は出ないが、それでも高音のEbやEはどうにかして出すことはできる。」と言っています。ただしハイFのような音は特定の限定された条件下でのみ可能なようです。

 

また「学生時代、高音域が柔軟に出せたのでカウンターテナーになることを真剣に考えたこともあった。」が、「僕が歌いたかったのはプッチーニやレオンカヴァッロなどのヴェリズモだったのでカウンターテナーにはならなかった。」

 

彼の選択は正解でした。現在の彼を世界のトップテノールに押し上げたのはまさにスピント系、ドラマチック系のテノール役ですから。

 

ただし「僕は長らく『セヴィリアの理髪師』(アルマヴィーヴァ伯爵)、『愛の妙薬』(ネモリーノ)、モーツアルト作品の中でもフェランドやオッタヴィオなどの軽い声のテノール役を歌っていた。その一方チューリッヒで初ロールのパルジファルも歌った。」

 

ということで、要するに彼は若い頃から多様なテノール役を歌っていたと言いたいらしい。

 

また、「現在の風潮として特定の役を特定の声質の声で聞くのが好まれる傾向にあるけれど、昔はそんなことはなく一人の歌手が信じられないほど幅広い役を歌っていた。」と言っています。

 

以上をまとめてみると、彼としては過去も現在もキャラクターの声質にあまりこだわることなく、可能な限り様々なキャラクターを歌っていきたいのだろうと想像します。

 

2. 演出に関して (2) 

 

音楽が表現する内容とかけ離れた演出は良くない、という彼の従来の主張の繰り返しです。

 

「良いエンターテインメントとは、観客の感情に訴えかけ、その効果が長続きするもの全て。」「最悪は観客がいつ休憩になるのだろう?と考えること」、

 

「予備知識もなく、その公演が以前どのように演出されていたかを知らない観客にとってタブーを破った演出は面白くない。というのも彼らはオリジナルを知らないので(内容がよくわからず)、初めて見たオペラを見た後フラストレーションを抱えたまま帰宅することになる。」

 

3. そこで彼の意見として (3) 

 

「(オペラで出てくる)たくさんの感動的なメロディーは容易に理解できるばかりでなくポップコンサートのように観客の熱狂を引き起こすことができる。

 

「重要なのは、演出がメロディーの効果に逆らわず、(作品に対して)不必要に挑発することなく、作品に真摯に取り組んでゆくことである。」

 

と結論付けています。

 

1. Tiroler Festspiele Erl news 2024.12.03, Jonas Kaufmann über "I puritani" 

https://www.tiroler-festspiele.at/news/2024-12-03/jonas-kaufmann-ueber-i-puritani

 

2. Tiroler Festspiele Erl news 2024.9.01, Im Gespräch: Jonas Kaufmann  

https://www.tiroler-festspiele.at/news/2024-09-01/im-gespraech-jonas-kaufmann

 

3. APA/NÖN 2024.11.17 von Markus Stegmayr/APA, Erl-Chef Kaufmann will Auseinandersetzung statt Provokation,

https://www.noen.at/in-ausland/erl-chef-kaufmann-will-auseinandersetzung-statt-provokation-448185342?fbclid=IwY2xjawGnSftleHRuA2FlbQIxMAABHYtnxkdSrKT1BzK_ICUpqhp5U7kB0RdYtZvTRPhjg5bvDq8d9n1q5Xin7Q_aem_9KF-fBkK57j8874YSuB0wA

 

2024.12.4

イタリアのRai5は11月29日にスカラ座で行われたプッチーニコンサートを12月5日(現地時間)7:15pmから放送します。

 

この公演は初めリッカルド・シャイ指揮によるスカラ座オーケストラが演奏する予定でしたが、イタリアのNational strikeによりオーケストラが使えず、オリジナルの公演自体はキャンセルされ、その代わりとしてJonas Kaufmann, Anna Netrebko, Mariangela Sicilia, Luciano Ganci及びピアノ伴奏James Vaughanによるプッチーニコンサートが行われました。

 

日本では多分見られないのではないかな。 以上はOperawireによる情報です。

https://operawire.com/rai5-to-broadcast-teatro-alla-scalas-puccini-concert-with-anna-netrebko-jonas-kaufmann/?fbclid=IwY2xjawG9I_5leHRuA2FlbQIxMAABHcQQ2I-FLhBgGr4yI_t1qG5t-NlD_aDUpB4DglI8iAnhPz7734CEypuoeg_aem_XHXAkAP40J6bUbfGd5Rwww

 

2024.12.1

スカラ座でのvocal concert、「マノン・レスコー」最終幕。死を目前にしたマノンとデグリューのデュエット

https://www.instagram.com/p/DDA_YQToIfB/

アンコール、アンナ・ネトレプコによる「ボエーム」からムゼッタのワルツ「私が街を歩けば」。奔放に歌い最後の高音B音をピアニシモで思いっきり長〜く伸ばして観衆の心をかっさらってます。もうブラボーするっきゃない。 https://www.instagram.com/p/DC_aKdrodO9/

 

2024.11.30

29日にあったスカラ座でのプッチーニコンサート中止続報

 

イタリア全国ストライキ(メローニの予算削減に対する)に呼応してスカラ座のオーケストラもストライキに参加した模様。

 

公演10分前にコンサートを開催するのが不可能だと理解したG Mのドミニク・メイヤーは今回のプッチーニガラをキャンセル、公演チケットの払い戻しをしました。そしてキャンセルされた公演の代わりにピアノ伴奏で歌手のvocal concertを無料で行い、観客に食前酒を一杯無料で提供しました。(1、2)

 

沢山歌うためにルチアーノ・ガンチとマリアンジェラ・シチリアがサポートしたらしい。ともあれ公演直前のキャンセルだったため、大幅に変更のあったプログラムを歌手たちとピアニストはおそらくリハーサル無し、またはほとんどない状態で歌ったのではないかと推察されます。

 

1. Rainews: Salta concerto alla Scala per lo sciopero, il teatro regala al pubblico recital coi solisti

https://www.rainews.it/tgr/lombardia/articoli/2024/11/salta-concerto-alla-scala-per-lo-sciopero-teatro-riallestito-regala-un-recital-coi-solisti-cb51d882-cf7d-4fbd-88a6-6c8a9cc9bcc0.html?fbclid=IwY2xjawG31FFleHRuA2FlbQIxMAABHRPCm05NKn0pSK8G2bZ0tj85p9nBHu9URVgxfCYZvvHJFdR9kSuc-61mJA_aem_cRVfILveICQ9XvKQCHCBrQ

 

2. ANSA.it: Scala 'cancella' concerto per sciopero e ne regala un altr

https://www.ansa.it/lombardia/notizie/2024/11/29/scala-cancella-concerto-per-sciopero-e-ne-regala-un-altro_921acba8-8aa5-4f15-b236-5cbb9276411d.html?fbclid=IwY2xjawG311FleHRuA2FlbQIxMAABHWRVgcSvPT4ukJgGlmDbcibgMqVh0x3M38d5-aJ1q9WOPRPIf-xAZc8-nw_aem_JSU2vbh9als-36hTE992MA

 

2024.11.30

カウフマンファンのF Bなどでの情報でまだちゃんと確認したわけではないので、誤報部分がありましたらご容赦ください。

 

29日にあったスカラ座でのプッチーニコンサートでアクシデントがあったようです。なんでも”Social strike”のためオーケストラが演奏せず、ピアノ伴奏でのカウフマン・ネトレプコのコンサートになりました。そのためか予定されていた歌の内容も変更になった模様。

 

このコンサートはTVとラジオで放送する予定でしたが、放送開始後20分過ぎても放送されなかったそうです(未確認情報)。それから後どうなったかは書いてなかったです。

 

最後のカーテンコールにはカウフマン・ネトレプコの他ルチアーノ・ガンチ(?)とソプラノさん(多分マリアンジェラ・シシリア)(?)がいたような気がする??? 一体どうなっていたのでしょうか???

 

もちろんカウフマンファンはガッカリ&怒ってます。

 

追加です。Operawireのニュースにも出てました。

https://operawire.com/orchestra-strike-alters-anna-netrebko-jonas-kaufmann-concert-at-la-scala/

 

2024.11.21

OperawireからOpéra de Monte-Carloでの “VIVA PUCCINI”評論が出ています。今までの一連の評論の中で最も評論らしい評論で歌い方の細かいところまでよく分析していましたが、それでも全体的にいえばカウフマンベタ褒めでした。今回のツアー全般に圧倒的な評判で、彼は絶好調のように思えます。それなのに「運命の力」降板とは、なんともはや・・・・・・

https://operawire.com/opera-de-monte-carlo-2024-review-viva-puccini/?fbclid=IwY2xjawGrVJ1leHRuA2FlbQIxMAABHaUVapFHoZfoYERaQOYhIsUwv24PVsadF967ylYH3yxvzpW_JdaTE_hhyg_aem_kY1wznqXS3oapzC1eESuhA

 

2024.11.20

スカラ座発表。「ヨナス・カウフマンの声明。彼はファミリーリーズンにより最近何週間リハーサルに参加せず、それゆえ今回のプロダクションを諦めざるを得なくなった」ということです。カウフマンの代役はブライアン・ジェイド(Brian Jagde)。

 

ただし、アンナ・ネトレプコとのコンサート(11月29日)には出演します、とのこと。

https://www.teatroallascala.org/it/stagione/2024-2025/opera/la-forza-del-destino.html

 

そういえば以前テジエがROHで、フローレスがウイーン歌劇場で、リハーサル不参加を理由とした降板があった、という記憶があります。

 

テジエの場合彼自身は出演したかったけれど劇場側がリハーサルの不足ということで彼をキャンセルした、フローレスの場合は病気が治らずリハーサルができなかったので降板した、という理由が付けてあったように記憶しています。

 

2024.11.20

ヨナス・カウフマンはスカラ座の「運命の力」公演をキャンセルしました。理由は "Family reason"です。

 

2024.11.19

11月17日に開催されたモナコでのコンサート。内容は"VIVA PUCCHINI"ツアーと同じですが、指揮者がマルコ・アルミリアート、モンテ・カルロフィルハーモニーオーケストラの演奏でした。

 

今回の評論もカウフマンをベタ褒め状態。アンコール最後の"Nessun Dorma"が終わると会場の観衆総立ちのオベーションがあったらしいです。しかし評論で第1番に書かれていたのが「「ヨナス・カウフマンが来ました。キャンセルしませんでした!」でありました。。。(こちら、写真が何枚か出ています)

https://www.facebook.com/operademontecarlo/posts/1144370777054714?ref=embed_post

 

 

2024.11.15

評論 ”VIVA PUCCINI” コンサートツアー 評論を読んで

 

今回10公演のうち5つの公演(マンハイム10/17、フランクフルト10/22、ドルトムント10/25、ミュンヘン11/2、ブレーメン11/6)の評論をまとめて概観します。共演するソプラノMaria Agresta (4公演)、Valeria Sepe(6公演)、そしてヨッヘン・リーダーの指揮を含めオーケストラ演奏も高評価でした。以下は主にカウフマンに関する記事をまとめます。

 

演奏会の内容

最初は「トスカ」から有名なシーンの抜粋で、第1幕「妙なる調和」、トスカとの熱烈な二重唱、第2幕「歌に生き愛に生き」、第3幕「星は光ぬ」と続きます。

 

次は「ボエーム」。「私の名はミミ」に続いて第1幕最後の二重唱で、実際のオペラのように二人は舞台を去り舞台袖から最後の高音(ハイCでしょう)を歌いました(3)。

 

後半オーケストラ演奏が挟まれますが、歌としての最初は「蝶々夫人」第1幕終わりの壮大な二重唱。最後が「マノンレスコー」第2幕の愛憎入り混じるドラマティックな二重唱になります。

 

アンコールは「西部の娘」より「やがてくる自由の日」(ジョンソン)、「トゥーランドット」から「お聞きください王子様」 (リュー) と 「泣くなリューよ」 (カラフ)、「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」(ラウレッタ)、最後は「誰も寝てはならぬ」”Nessun dorma” (カラフ)。さらに最後はクルティスの「私を忘れないで」“Non ti scordar di me”でした(別の歌を歌ったこともあったらしい)。

 

プッチーニ作品には歌手が消耗するようなドラマチックでエモーショナルなアリアが多いです。今回はなんともリッチというか、難しいアリアや壮大な二重唱をいくつも歌う過酷とも思える内容でカウフマンもソプラノさんも1公演終わる毎にぐったりではなかったか、と心配していました。

 

ついでながら、生舞台なのでアクシデントがいくつかあり、ひどいのは演奏中に携帯のフラッシュを焚いて写真を撮っていた輩がいて、カウフマンはその輩を指差して警告していた模様(4)。

 

評論

今回のツアーの評論は一体評論なのだろうかと訝るほどでした。と言うのも私が読んだ限り、ここに出した、そして出していない他の都市の評論もこぞってカウフマンを褒めちぎっており、まるで評論家たちが全員カウフマンファンになってしまっていたように思えるほどでした。

 

例えば、

「『星は光ぬ』の全ての高音は充分に高く、レガートは完璧に響き、弱音はうまく演奏され、フォルテを押していない(伸びやかに自然に発声されていると言う意味)。」「カウフマンは啜り泣いたり、早口になったり、などの表面的な表現を完璧に避け、エレガントなスタイルで気高く常に優雅に歌っていた」(2)。

 

「(カウフマンが舞台に登場すると)彼はもはやスターテノールではない。彼の声を使って音楽と言葉でキャラクターの最も深い感情を表現し、キャラクターになりきる。・・・・彼は声を最大限コントロールして並はずれたニュアンスで音楽を表現する。・・・・とりわけ高音でのクレッシェンドとデクレッシェンドは驚異的なテクニックで、今日の歌手の中でも(このような技術を持つ歌手は)稀であろう」(5)

 

「イタリアの偉大な作曲家の音楽に対するこれほどの情感、これほどの誠実さ、これほどの熱烈な献身は、プッチーニを本当に喜ばせたに違いない。ヨナス・カウフマンは間違いなく、この偉大な美食家が選んだお気に入りのテノールになっていただろう」(6)。  などなど。

 

これらの大褒め評論の中でも特に目立つのはアンコール「誰も寝てはならぬ」を歌った後の観客の熱狂を記した部分でした。

 

「観客は我を忘れ・・・・最後、カウフマンの素晴らしい『誰も寝てはならぬ』でホールは頂点に達した」(1)。

 

「ヨナス・カウフマンは明らかに疲れていたが、彼の『誰も寝てはならぬ』の勝ち誇った"Vincerò"はついに満員の観客のスタンディング・オベーションを引き出した(4)。

 

カウフマンも言っていたことですが、プッチーニの音楽は観客の心にストレートに届き人々を感動させます。とりわけ「誰も寝てはならぬ」は聴衆の心を一挙に高揚させる特別なアリアだそうです。そんなアリアを公演の最後に歌ったので観衆は最高に盛り上がったのではないかと推察します。

 

今回はプッチーニとカウフマンの組み合わせが相乗効果を上げたエモーショナルなツアーだったのかもしれません。まるでポップコンサート(のような盛り上がり)と書いた記事もありました。10公演のうち少なくとも8公演が完売というすごいツアーでした。

 

1.マンハイム: Online Merker 18.10.2024 von Gerhard Hoffmann

https://onlinemerker.com/mannnheim-rosengarten-jonas-kaufmann-valeria-sepe-deutsche-staatsphilharmonie-jochen-rieder/

2.フランクフルト: Frankfurter Allgemeine 23.10.2024, von Axel Zibulski

https://www.faz.net/aktuell/rhein-main/kultur/jonas-kaufmann-singt-in-der-alten-oper-frankfurt-110065438.html

3.ドルトムント: Online Musik Magazin 25.10.2024, von Thomas Molke

https://www.facebook.com/share/p/geqG78KzSSG1RZa8/

4.ミュンヘン:BR Klassik 03.11.2024 von Michael Atzinger

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/jonas-kaufmann-puccini-gala-muenchen-kritik-100.html

5 ブレーメン Seen and Heard International 2024.11.13 by  Daniel Meyer-Dinkgräfe

https://seenandheard-international.com/2024/11/outstanding-puccini-recital-by-jonas-kaufmann-enthrals-bremen-audiences/?fbclid=IwY2xjawGiLldleHRuA2FlbQIxMQABHcjSWhjj7__b0M0AF8FfjR-1orzf6Rs6qIGHV8VwppgZ14C8QG4oKrweCQ_aem_YlIvOuhWYQtaC8Y9sphUAg

6.ブレーメン: Operaversusm  7.11.2024 von Nicole Hacke

https://www.operaversum.de/konzert/2024/jonas-kaufmann-entfacht-leidenschaftlichen-sturm-der-gef%C3%BChle-beim-viva-puccini-konzert-in-der-bremer-glocke-und-valeria-sepe-strahlt-hell-an-seiner-seite/

 

2024.11.10

ネトレプコ、カウフマン、テジエが主要キャストとなるミラノスカラ座の12月公演「運命の力」はあっという間に全公演完売しました。次にカウフマン(「道化師」)とガランチャ(「カヴァレリア・ルスティカーナ」)が出演するウイーン歌劇場の1月4公演も全てが完売しました。

 

2024.11.8

ヨナス・カウフマンの”VIVA PUCCHINI”ツアーは順調に進んでいるようで、ブレーメンのコンサートも大好評だったようです。以下の写真はミュンヘンで撮られたもの。今回のツアーも明日のKKL、ルツェルンで終了です。ドイツを中心にヨーロッパ10都市での公演ってくたびれそうです。

https://www.facebook.com/GasteigMuenchen/posts/987963603360032?ref=embed_post

 

2024.11.6

ヨナス・カウフマンへのインタビュー記事 “Blick 2024.11.2 von Daniel Armet” を読んで

(https://www.blick.ch/gesellschaft/viva-puccini-von-jonas-kaufmann-puccini-hatte-frauenaffaeren-veranstaltete-spielabende-und-genoss-das-leben-id20281280.html)

 

ヨナス・カウフマンの”VIVA PUCCHINI”ツアーの途中、Luzernでのコンサートを前にしたインタビューです。前半はプッチーニに関して、プッチーニの音楽の魅力について、CD "Puccini: Love Affairs" を作成する際の裏話などを主に語っています。

 

しかし興味深いのは後半、アンナ・ネトレプコに関するコメントです。簡単に内容をまとめると(意訳あり)、

 

「アーティストがバックグラウンドに関係なくこれほど頻繁に自分のカラー(政治的な見解などのことを指していると思われる)を示すように求められるこのような対立は今まではありませんでした。以前なら彼女は問題視されなかったでしょう。」

 

「彼女は板挟み状態です。彼女はロシアとオーストリアのパスポートを持っていて、長年オーストリアに住んでいるがロシア人の親戚がいます。・・・今彼女が何をしようと西側では求められずロシアでは歓迎されない。」

 

「彼女は現在最も才能あるアーティストの一人です。このようなアーティストを排除するのはあまりにも近視眼的です。彼女を歌わせないで20年後に再び歌わせようとしてもキャリアを続けることはできません。」

 

「音楽は言葉がなくても感情を伝える方法で、団結の力でもあるのです。」

 

Iltrovatoreは上記の見解を尤もだと考えております。ネトレプコが過去に問題を起こしていたのは事実です。私自身も彼女の以前の行動を苦々しく思っておりました。しかし現在彼女は平和を望むコメントを出していて、そのようなコメントを出すのはロシアでは非常に危険で勇気が必要な行動なのです。

 

一方彼女以上に親プーチン的な歌手たちがあまり糾弾されずにロシアでも西側の歌劇場でも歌い続けているという現象も目にしています。

 

 

欧米音楽界でのロシア人アーティストに対する対応は基準が曖昧で一貫性がなく矛盾を孕んでいます。(2024.11.05 wrote)

 

2024.11.3

ミュンヘンでのコンサートが終わりました。あとはパリ、ブレーメン、ルツェルンでの3公演。

 

2024.10.31

先日28日にNHK BSで放送された「ジョコンダ」は、なかなか良かったです(鑑賞記参照; https://iltrovatore1853.jimdofree.com/%E9%91%91%E8%B3%9E%E8%A8%98/2024%E9%91%91%E8%B3%9E%E8%A8%98/#Gioconda)。しかし、未だTV放送されていない欧米のカウフマンファンたちは残念がっているようです。NHK放送を探って視聴しようと思った方もいらっしゃるみたいですが放送チャンネルを見つけられなかったらしい。BS放送でしたから。

 

2024.10.27

10.25ドルトムントの公演が終わりました。次の公演は31日のStuttgart

https://www.facebook.com/share/p/U2uLqEAeyTVXo2nd/

 

2024.10.25

フランクフルトでのツアーの模様。本日はドルトムントで公演。今回のツアーは今までのところ彼の調子が良いようで好評です。

https://www.facebook.com/share/p/2diDzt7dau23zYzJ/

 

2024.10.22

10月19日Freiburgでのコンサートの模様。

https://www.facebook.com/albertkonzerte/posts/1065059692291261?ref=embed_post

 

2024.10.20

Gstaad Menuhin Festivalのショートインタビュー

https://www.facebook.com/reel/459120693264392

 

お茶とコーヒーとどっちが好きですか?  

100%コーヒー。

 

ルドルフォとカヴァラドッシは? 

カヴァラドッシ。

 

カヴァラドッシとトリスタンは? 

難しい。トリスタンかな。

 

スタジオとライブは? 

ライブ。スタジオでは完璧を目指し、ライブは完璧な瞬間を捉える。

 

海と山? 

どっちも良い。

 

声楽を専門にする生徒からの質問:「Aperto(アペルト:開く) で歌うの、それともCoperto(コペルト:覆う:カバーするとも言う)で歌うの?」

 

(英語に変わる)

いい質問ですね。コペルトでしょう。もしコペルトをこの辺(喉の首元あたりを指す)ではなくこちら(手で口の上の方、多分口蓋上部か軟口蓋の上部を指していると思う)でやるならば、です。

 

アペルトはとても危険になりうる、もしパッサージョ(低音から高音へ行く時の通過点)へダイレクトに行くのならね。

 

私としては、この辺(喉の辺りを指す)は全て開けてなきゃいけないけど、軟口蓋でカバーされる、と言いましょう。

 

Aperto, Copertoは喉を開ける、覆う(カバーする)という声楽の専門用語というか感覚、概念。・・・普通に喉を開けるとか閉めるとかの意味ではありません。歌手を目指す人には重要な問題です。

 

2024.10.19

"VIVA PUCCHINI!"ツアーはウイーンから始まり、マンハイムを経て今日はフライブルクです。

 

https://x.com/tenorkaufmann/status/1846908234021429469

 

2024.10.14

"VIVA PUCCHINI!"ツアーが始まりました。

 

2024.10.12

あららら、売り出しが始まったスカラ座の「運命の力」ですが、カウフマン&ネトレプコの人気最強。

カウフマンが出演する公演のうち、10,13日はすでに完売。16,19日は残り僅少。シーズンプレミエの7日は今の所残席1つ。ご両人とも出演する公演全てで元気に歌って欲しいものです。

 

2024.10.10

カウフマンのFBより。"VIVA PUCCINI!” ツアーのパリ公演は11月4日に変更されましたが、それ以外のツアー公演のスケジュールは元のままだそうです。

 

2024.10.9

カウフマンがコロナに感染したため、予想されたことではありますが10月9日公演予定の”VIVA PUCCINI!”はキャンセルで11月4日に延期されました。

 

2024.10.5

10月6日に開催予定だったカウフマン・テジエのコンサートはカウフマンがコロナ感染(Covid-illness)したため延期されました。新しい期日は後ほど発表されるそうです。

 

2024.10.1

評論「美しき水車小屋の娘」リサイタル 9月21日公演を読んで。

 

ヨナス・カウフマンと有名なピアニスト、ルドルフ・ブッフビンダーとの初めての共演。ブッフビンダーがカウフマンに働きかけて共演が実現したそうです(1)。カウフマンがヘルムート・ドイチェさん以外のピアニストと共演するのは珍しい。

 

カウフマンの歌を聴いた評論家は

 

「彼は(ストーリーを客観的に述べる)語り手として歌っているのではなく、事件や感情を体験した若い主人公の想いを体現し歌っている。彼は明瞭なフレージングでこの歌曲集のエッセンスを捉えていて、歌曲集の音域も彼の声域と合っている。彼は主人公の、血気にはやる、時に陽気で、誇り高く、不安定で、嫉妬深く、最後には絶望的な気持ちを表現していた」(2)と書いています。

 

その他、いくらか批判的な評論でも「(特にカウフマンの場合)全て完璧だったとは言えないが、多くの場合美しい音が否応なく骨を突き刺すようで何度も圧倒された。」(3) と評しており、今回の講演は全体的に好評だったと思われます。

 

一方、ピアニストに関して、「ブッフビンダーの演奏は感傷的ではなく表現主義的だが、終始主人公の感情を反映していた」(2)と称賛されています。

 

アンコールは「ます」、「泉のそばの若者」、「ミューズの息子」の3曲。

 

ただし、「唯一楽しみを台無しにしたのは観客が落ち着いていなかったこと、とりわけひどかったのは抑えようともしない大きな咳、絶えまない席の移動、そして携帯を弄っていることだった。」(2)、と書かれており、ウイーン楽友協会でさえこのようにお行儀の悪い聴衆がたくさんいるようです。

 

1. Musikverein 2024.7.26 von Joachim Reiber

2. Das Opernmagazin 2024.9.24 von Dr. Daniel Floyd

3. Der Standard 2024.9.23 von Christoph Irregeher     (2024.9.29 wrote)

 

2024.9.29

ソフィアで28日に開催されたコンサート

https://www.facebook.com/sofiaphilharmonic/videos/839349608188931

 

2024.9.23

9月21日に開催されたリサイタル「美しき水車小屋の娘」

https://x.com/Musikverein/status/1837805994170036688?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1837805994170036688%7Ctwgr%5E1d637e550a9fd7fdf1927dccc81fe3a01b0cd6fc%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Filtrovatore1853.jimdofree.com%2FE3838BE383A5E383BCE382B9%2F

 

2024.9.11

アンジェラ・ゲオルギューが韓国での「トスカ」公演の際、韓国人テノールが聴衆によるbisの要請に応えて「星は光ぬ」を歌った(又は歌おうとした?)のをゲオルギューが阻止したため、第3幕が中断されたと言う事件があったそうです(Operawire News 2024.9.9)。

https://operawire.com/angela-gheorghiu-booed-in-seoul-after-interrupting-performance-of-tosca-demanding-respect/

 

2016年ウイーン歌劇場でカウフマンがやはり「星は光りぬ」のbisをした時、bisに怒ったゲオルギューが舞台に遅れて出てきたと言う事件がありました。この時の状況とbisに対する私の考察がおたく記事「To bis or not to bis /カウフマンのウイーン歌劇場「トスカ」上演に思う」に出ています。

 

2024.9.10

Opera Online 2024.9.2(1)に掲載された記事「Erlのヨナス・カウフマン」を読んで

 

Opera OnlineはTyrolean Festival Erlの音楽監督になったヨナス・カウフマンにインタビューしています。

 

今回のインタビューで彼は「若い観客を惹きつけようと年嵩の常連客を怖がらせるような演出をするのは間違いです。常連客なしに我々は存在できません。しかし観客を若返らせるのも必要なことです。ですから僕はErl Festivalに初めて来た人達全てが再びここに来てくれるようにするつもりです。」(1)

 

そのために「芸術監督としての彼がプロジェクトの最初のステップから関与し、ある程度の芸術的自由を保ちながらも建設的な方法で演出に寄り添い、超えてはならない限界についての僕の考え方を議論したい」(1)と語っています。

 

カウフマンの言った内容を一言でまとめると、「僕は舞台演出の最初のプロセスから関与したい。」と言うことですが、ある種の演出家や評論家にとってかなり刺激的に聞こえるのではないかと想像します。

 

なぜかというと、「演出家がオペラの音楽と台本を全く無視して演出家独自の主張(ストーリー)を前面に押し出し、その結果音楽と舞台演出が全く乖離したような演出」を彼は何度も批判しているからです(2)。

 

ともあれ、彼はオペラ歌手として豊富な舞台経験を持っており、その経験を基に彼の目指す「オペラ」を現実化して行きたいと願っているのでしょう。

 

また以前から彼は、「オペラは結局のところ想像の世界。聴衆を遠いところ、おとぎの国または神秘的な別世界にいざなうものだ。現在はオペラを現代風に読み替えするからいざなうのは難しくなっているけれど。」(3)とも言っています。(今回の記事の中でも同様なことをちょっと語っている)

 

上記のような主張をひっくるめての試みなのか、来年Erl Festivalで上演される「パルジファル」の新演出は

 

「時代を超えたモダンな解釈だが、槍と聖杯は実際に槍と聖杯だ、と約束します。今日これらの要素を(別物に)置き換えないと言うのは小さな革命です。」(1)と言っています。

 

1. Opera Online 2024.9.2 par Aurelien Pfeffer

https://www.opera-online.com/fr/articles/jonas-kaufmann-a-erl-je-souhaite-accompagner-les-etapes-de-production

 

2. Opera Now 2020年5-6月号 by Helena Matheopoulos

https://www.surveygizmo.com/s3/5579109/Opera-Now-free-access-to-May-June-issue?fbclid=IwAR2CO6AoDBulzmQ4TugRE7l-Rp4fu3AX2Jd97kUJ-QnAY3AaBUpj2fQ55IQ

 

3. Opera Online 2015.7 (Youtube) https://youtu.be/azwfQKTs9wI?si=jffKWX6syOyH2F35

 

 

2024.9.6

カウフマン、ネトレプコが共演したサンカルロ劇場「ジョコンダ」がBS プレミアムで2024年10月28日午前1時35分から放送されます。BSP4Kでも10月13日に放送されます。BSプレミアムシアターのページに2つの公演放送予定をまとめてあります。

 

 

この公演は1回目(10日)はネトレプコもカウフマンとも調子悪かったが(カウフマンは咳き込んでいた)、2回目(13日)の公演は素晴らしかったと言う評論があります(古いニュース4月21日付け)。今回は10日と16日に収録されています。

 

2024.9.3

Arena diVeronaでの「トスカ」公演

https://www.facebook.com/arenaverona/posts/pfbid0YcQGPSa8z4AN995zSUXrAWrtRYEqRVVHqHqqNwykysYKHV3deQ3cxYZbpqhoUah9l

 

 

2024.8.27

23日にGstaad, 25日にはBaden-Baden で「トリスタンとイゾルデ」第2幕を歌いました。

https://www.facebook.com/kaufmannjonas/posts/1077226630439815?ref=embed_post

 

2024.8.23

23日にはGstaad, 25日にはBaden-Badenにて「トリスタンとイゾルデ」第2幕のコンサートがあります。以下の動画でカウフマンは

「僕の祖父がワーグナーファンでピアノを弾きながら歌手の全てのパートを歌えた。祖父が所有していた楽譜は(劇場の場面描いたイラストなども出ていて、)子供の頃の私にとってとても魅惑的だった。」という話をしている。

https://x.com/tenorkaufmann/status/1826238347557355596

 

2024.8.9

Jonas Kaufmann unofficial Web Siteによればヨナス・カウフマンはザルツブルク合唱アカデミー創設の後援者になっています。このアカデミーは若い人々のトレーニングプログラムを提供するらしい。こちら(Stadt-Salzburg, 2024.7.25 von Laura Lapuch)

https://www.stadt-salzburg.at/presseaussendungen/presseaussendungen-2024/chorakademie-salzburg-talentakademie-mit-schirmherrn-jonas-kaufmann

 

2024.8.4

評論 バイエルン歌劇場「トスカ」を読んで。

 

バイエルン歌劇場夏のフェスティバルにおけるこの公演はOper für Alleのライヴストリーミングで公開されました。

 

この演出は確か今年の5月がプレミエだったと思いますが、本来のオペラのストーリを全く書き換えています。私見ですが、「オペラに触発された演出家独自の創作ストーリーを、歌手とオーケストラのバックグラウンドミュージックと共に提供いたします」、と言うような感じがします。

 

ただ非常にドラマチックで血塗られた刺激的な演出で、若者に受けていたと言う報告もあります(1、2)。ただし、演出を見るのに忙しく音楽をじっくり聴く暇もなかった方々もおられるのではないでしょうか。

 

「エレオノーラ・ブラット、ルドヴィック・テジエ、ヨナス・カウフマンは、いずれも素晴らしい存在感を放っている」(1)、

 

カウフマンに関しては、「すべての音色、すべての音符がベルベットのように滑らかで、暗く溶けるようなサウンドである。この夜、テノールが美的な詩(歌)として生み出すものはすべて、感情的に豊かな内容を持っている。このアリアをこれほど内容が濃く、印象的な強烈さで歌える人は他にいない。特に彼のピアニッシモは、非常に感動的で、演奏の後もずっと魂に響き続ける。」(2)

 

などなど。歌手たちは好評のようでした。

 

ただ今回の2つの評論は(音楽的部分に関し)上っ面で情緒的と感じられる部分があり評論と言うより鑑賞記のようにも思えます、、、私のひがめかもしれないけれど。

 

1. BR Klassik 28.07.2024 von Michael Atzinger

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/oper-fuer-alle-in-muenchen-2024-100.html

 

2. OperaVersum 2024.7.28, von Nicole Hacke

https://www.operaversum.de/oper/2024/brutal-geniale-tosca-mit-jonas-kaufmann-und-eleonora-burrato-an-der-bayerischen-staatsoper/

 

(2024.8.4 wrote)

 

2024.7.28

新演出のトスカ。説明を読まないと舞台で何をやっているのか、ようわからん演出。音楽は興味の中心でないような。

https://x.com/tenorkaufmann/status/1817169280082776371

 

2024.7.22

METライブビューイング 夏のアンコール上映。今年は東劇、なんばパークスシネマ、kino cinema神戸国際、ミッドランドスクエアシネマ(名古屋)でアンコール上映の開催が決定しました。

東劇 https://www.shochiku.co.jp/met/news/6027/

それ以外https://www.shochiku.co.jp/met/news/6050/

 

ヨナス・カウフマンが出演する演目は、「ファウスト」 2011〜2012シーズン

ヨナス・カウフマン、ルネ・パーペ、マリーナ・ポプラフスカヤ、

東劇: 8/24, 9/1, 10, 11, 12, 22 関西: 9/22, 23, 24

 

 

2024.7.21

Jonas Kaufmannの新しいC D“Puccini:Love Affairs”がSONY CLASSICALから発売されます。2024年9月13日発売。豪華な共演者:Anna Netrebko, Asmik Grigorian, Malin Byström, Maria Agresta, Pretty Yende, SONYA YONCHEVA.

 

TRACKLIST:

La bohème(ボエーム)

1 "O soave fanciulla" with Pretty Yende

Manon Lescaut(マノン・レスコー)

2 "Tu, tu, amore? Tu?" with Anna Netrebko

Tosca (トスカ)

3 "Mario!" - "Son qui!"

4 "Ah, quegli occhi!" – “Qual occhio al mondo” with Sonya Yoncheva

La fanciulla del West(西部の娘)

5 “Mister Johnson, siete rimasto indietro”

6 “Quello che tacete” with Malin Byström

Il tabarro(外套)

7 “O Luigi! Luigi! … Dimmi: perché gli hai chiesto” with Asmik Grigorian

Madama Butterfly(蝶々夫人)

8 “Viene la sera”

9 “Bimba dagli occhi pieni di malia”

10 “Vogliatemi bene” with Maria Agresta

La bohème

11 “Che gelida manina!”

Tosca

12 “E lucevan le stelle”

Orchestra del Teatro Comunale di Bologna  指揮:Asher Fish 

 

https://x.com/sonyclassical/status/1814231841999614048

 

2024.7.20

Wiesbadennでの”The Sound of movies”コンサートの画像がいくつか出ているサイトをリンクします。

https://wiesbaden-lebt.de/jonas-kaufmann-feiert-in-wiesbaden-die-schoensten-filmsongs

 

2024.7.19

2024年7月11日にカウフマンのソングリサイタルがありました。いつものようにドイチェさんの伴奏でシューマンとリストの歌曲を歌いました。ほとんど話題に登らなかったリサイタルなので評論はあまり出ていなくて、今回参考にしたのはOperawire(1) とKlassik Begeistert(2)です。

 

Klassik Begeistert (2)によると、今回のリサイタルは客のお行儀が非常に悪く、連作歌曲の途中でブラボーや拍手が続いたようです。カウフマンが礼儀正しく客に連作歌曲の途中で拍手をしないようにお願いしても無視して拍手を続ける観客もいたようで、この点では問題のあるリサイタルだったのかもしれません。

 

Operawireの評論はレベルが高いのですが非常に長く(読むのが辛い、、、)歌曲の一つ一つに対し詳しく感想が書いてありました。内容を一言でまとめると、「今宵カウフマンは芸術的に深みのある音楽を(観衆に)伝える才を披露した」(1)、ということです。

 

また「カウフマンのようにドン・カルロスやオテロなどドラマティックな役柄を演じることができる人物がこのように(深みのある歌曲を歌える音楽的な)幅広さを持つのは、稀である。」(1)とも書いています。

 

ただし、今回のカウフマンは中音域での歌唱が非常に良かったものの、高音の発声が少しつらかったようです(2)。

 

最後に、Operawireは「我々はステージ上で活躍するカウフマンの存在を大切に思う。彼は天賦の才を披露するばかりでなく歌唱に対する偽りのない愛情を我々に与えてくれる。しかしそんな人物の公演を聴衆として聞くことができる機会がこれから一体何回あるのだろう、と思ってしまう。」と書いておられます(1)。

 

カウフマンは7月10日で55歳になりました。これからもお体大切に私たちを楽しませていただきたいです。

 

1. Operawire 2024.7.15 By Operawire Staff

https://operawire.com/munich-opera-festival-204-liederabend-featuring-jonas-kaufmann/

 

2. Klassik begeistert 2024.7.12 von Andreas Schmidt

https://klassik-begeistert.de/jonas-kaufmann-und-helmut-deutsch-liederabend-bayerische-staatsoper-muenchner-opernfestspiele-11-juli-2024/

 

(2024.7.18 wrote)

 

2024.7.16

「神奈川県民ホールは来年から老朽化を理由として閉館し、大型改修または立て直しが検討されているらしいです。しかもいつ再開できるかは不明。さらに東京文化会館も2026年から三年間改修のための閉館をするというし、その間東京エリアでの来日オペラ公演はどうなってしまうのだろう?」と以前の鑑賞記に書いたのですが、アントニオ・パッパーノも心配してコメントを出してくれています。

https://youtu.be/0PRHPqlD6Tk?si=k6515EZw_iesB3XX

 

またNBSも「引越しオペラの終焉」という危機感満載の記事を出しています。興味のある方はご一読ください。(こちら)https://www.nbs.or.jp/webmagazine/series/takahashi-column/20240417-05.html

 

2024.7.13

次の公演予定は、コンサート "The Sound of movies " Rheingau MusikFestival 2024

Kurpark, Wiesbaden、2024.7.18

 

2024.7.10

すっかり忘れてましたが、今日はヨナス・カウフマンの55歳のお誕生日でした。

 

2024.7.1

ニュースというほどのことはないちょっとした寄り道。先日のROH来日公演「リゴレット」に出てくる絵画に目が行きました。今回の演出ではマントバ公を美術品と女性のコレクターという設定にしてあるということで、1幕、2幕に出てくる絵画をチェックしました。

 

この記事は「リゴレット」2024.6.25 ROH来日公演鑑賞記の中に置いておきます。

 

1幕最初の場面は人間が絵画を模したものでしたが、元となった作品はカラヴァッジョ作

「聖マタイの殉教」“The Martyrdom of Saint Matthew ”らしいです。うむ、似てますね。

モンテローネ伯爵に対する残酷な処罰を象徴しているのかな?

Public domain, via Wikimedia Commons

File:The Martyrdom of Saint Matthew-Caravaggio (c. 1599-1600).jpg

 

1幕の舞台背後に飾られていた絵画。これはとっても有名なティツィアーノ・ヴェッチェッリオ作、

「ウルビーノのヴィーナス」“Venus of Urbino”。これはマントバ公の女性収集癖を表している?

Public domain, via Wikimedia Commons

File:Tizian 102.jpg

 

第2幕、マントバ公の大広間の背後にある絵画。「ウルヴィーノのヴィーナス」がわきにやられて新たに架かっているのがティツィアーノ・ヴェッチェッリオ作「エウロペの略奪」“The Rape of Europa”。

これはゼウスが牡牛に変身し、エウロペを略奪し海を渡ると言うギリシア神話のエピソードを示しています。ちなみにエウロペはヨーロッパの語源となっています。この絵画がジルダの誘拐を示唆しているのは明白。

Public domain, via Wikimedia Commons

File:Tizian 085.jpg

 

2024.6.27

スペイン ラス・パルムRoyal Hideaway Hotelでのコンサート。

https://www.facebook.com/AnitaRachvelishviliOfficial/posts/996328235191212?ref=embed_post

 

2024.6.19

ウイーンでの”Lieder im Park”を終えて夏の公演に移ります。詳しくは「情報&スケジュール」に載っています。

 

https://x.com/tenorkaufmann/status/1803404436817039408

 

2024.6.12

先日行われたArena di Verona Italian Opera Festival。“La Grande Opera Italiana Patrimonio dell’Umanità”というタイトルがついているので、「イタリアのオペラ歌唱(ベル・カントのこと)」がユネスコの無形文化遺産に登録されたのをお祝いする意味もあるのでしょう。この公演にはイタリア大統領がご臨席。チラッとみたところ、前方の観客はほとんどが正装。

 

前半はリカルド・ムーティー指揮でオペラの前奏曲や間奏曲など、後半はフランチェスコ・イヴァン・チャンパの指揮で歌手が歌いました。半分はイタリアの歌手ですが、インターナショナルに有名な外国人歌手もたくさん出ていました。うむ、イタリアヴェローナでのガラ公演でさえ、外国人の歌手が半数を占めるか。

 

ほぼ全ての歌手はイタリアオペラのアリアを歌ったのですが、ただ一人アイグル嬢が「カルメン」を歌いました。歌う予定だったアンナ・ネトレプコの姿は見えませんでした。

 

ロンドンで「アンドレア・シェニエ」公演中のカウフマンが公演の合間をぬって参加。ここで歌った翌日も「シェニエ」の公演日。う〜ん、お体大切に。

 

https://youtu.be/I0VXIbiVhRY?si=_rxdcWNGyMHeJZ64

 

2024.6.12

ROH シネマ 「アンドレア・シェニエ」 2024年9月20日(金)より1週間 https://fb.watch/sEDU3p7ODK/

詳細は(https://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=andrea_chenier2023)

 

2024.6.8

Arena di Veronaの”LA GRANDE OPERA ITALIANA PATRIMONIO DELL' UMANITA'”

カウフマンは「星は光りぬ」を歌いました。

https://youtu.be/5Tpcc8TVG_M?si=CeH6tdJ420hoVMND

 

2024.6.7

ヨナス・カウフマンは本日、Arena di Veronaの”LA GRANDE OPERA ITALIANA PATRIMONIO DELL' UMANITA'”でJuan Diego Flórez, Anna Netrebko, Ludovic Tézier, Vittorio Grigolo, Luca Salsi, Eleonora Burattoなどと共に歌います。Broadcast live on Rai at 20:30Broadcast live on Rai at 20:30と書いてありますが、日本ではおそらくみられないでしょう。

 

とはいえ、明日はイギリスのROHで「アンドレア・シェニエ」の公演があるはずなんですが。

 

2024.6.7

評論「アンドレア・シェニエ ROH 2024.5.30 公演」を読んで

 

今回は22年間ROHの音楽監督だったサー・アントニオ・パッパーノの監督としての最後の公演となるため注目を集めました。

 

彼の指揮はどの評論でも絶賛されていて、

「パッパーノが今回演奏したような、まるで交響曲のようなスケールと情熱を持ったアンドレア・シェニエを、ジョルダーノはおそらく一度も聞いたことがなかったことであろう。」(1)、

「パッパーノはジョルダーノの音楽を指揮するために生まれてきたかのようだ」(2)、

などと書かれています。彼の最後の公演にふさわしく、レベルの高い熱い指揮だったように思われます。

 

評論家の次の注目はヨナス・カウフマンです。

 

カウフマンのROHでの出演成績と言えば、2020年「フィデリオ」後半2回キャンセル(彼氏がコロナ感染)、2022年「カヴァレリア/道化師」全キャンセル(再びコロナ感染)、2023年「ウェルテル」最初2回出ただけであとはキャンセル(多剤耐性菌感染)、とキャンセルを繰り返しています。

 

2週間くらい前のパッパーノのガラで歌った時点でも咳を繰り返していたようで、観客も評論家もビクビクものでした。しかし今回の彼は好調だったらしく、

 

「嬉しいことにこのスーパースターテノールは象徴的で威厳のある彼自身になりつつあるようだ・・・第2幕で彼の声は自信に満ちてきたようにみえ、マッダレーナとのデュエットは素晴らしい。彼のトレードマークの豊かでダークなバリトンの音色となめらかな黄金の色彩感が表れていた」(3)。

 

「彼の燻したようなトーンはいくらかハスキーになっているかもしれないが、いつものごとくその音楽性は素晴らしい。彼は用心深さを忘れるようなテノールではないが、アンドレア・シェニエという役を情熱的に能力全開で歌っていた。」(1)。

 

「オペラ界は今、スーパースターが不足している。オペラ業界も、そして観客もカウフマンを必要としている。彼の末永い繁栄を願う。」(3)   などなどその他の評論でも非常に良い評価を得ていました。

 

マッダレーナ役のサンドラ・ラドヴァノフスキーは

 

「さまざまなエモーションを我々に伝える堂々とした低音域、歌劇場に響き渡る高音域、そして心を締め付けられるようなピアニッシモを持っている。・・・彼女の「La mamma morta」は胸が痛むほど感動的であった」(3) など、どの評論でも非常に良い評判です。

 

ジェラード役はモンゴルのバリトン歌手アマルトゥフシン・エンクバト。

彼の「祖国を裏切るもの」は、「美しいニュアンスに富み情熱的で、彼の名人芸を見せつけた。」(3)、とこれもまた私が読んだ数編の評論全てで褒めちぎられていました。

 

それからベルシを歌った若手メゾ、カティア・ルドゥーが評論家の注目の的となっていました。

 

また再演ながらサー・デイヴィッド・マクヴィカーによる時代劇(読替えをしていない台本の時代に忠実な演出)は「登場人物のあらゆる行動に信憑性を与え、激動の時代の息吹を感じさせ、後期ロマン派の音楽の豊かさを印象つける。」(2)など、再評価されていました。

 

1. Financial Times 2024.5.31 by Richard Fairman

2. Bachtrack 2024.5.31 by David Karlin

3. Operawire 2024.5.31 by Mike Hardy       (2024.6.6 wrote) 

 

2024.6.2

ヨナス・カウフマンが出演したウィーン国立歌劇場 歌劇「トゥーランドット」とニューヨークでの 「ドッペルゲンガー」 (歌曲集「白鳥の歌」ヨナス・カウフマン&ヘルムート・ドイチュ)がBS及びBSP4Kで放送されます。

 

★BS プレミアムシアター ウィーン国立歌劇場 歌劇「トゥーランドット」2024.7.22   

★BSP4K プレミアムシアター  ウィーン国立歌劇場 歌劇「トゥーランドット」2024.7.7  

★BSP4K プレミアムシアター  ドッペルゲンガー (歌曲集「白鳥の歌」ヨナス・カウフマン&ヘルムート・ドイチュ)

 

2024.6.1

う〜む、前回(2015年)使った衣装は着られなかったでしょう。絶対作り直したに違いない。

https://www.facebook.com/photo/?fbid=1038373870980224

2024.5.29

ミラノスカラ座の2024/25スケジュールが発表されました。カウフマン出演演目は

 

運命の力、ヴェルディ

ミラノスカラ座、ミラノ、2024.12.7/10/13/16/19 (詳細) 

指揮:RICCARDO CHAILLY 、演出:LEO MUSCATO

Anna Netrebko, Ludovic Tézier, Jonas Kaufmann, Vasilisa Berzhanskaya, Alexander Vinogradov

 

カウフマンはダブルキャスト公演の前半に出演することになります。

ネトレプコ、テジエ、カウフマンの組み合わせは2019年ROHでの「運命の力」公演と同じです、、、もちろんその時の公演自体はとても良くて、わざわざ見に行った甲斐があった、とは思ったのですが。

 

2024.5.25

Insights : In Conversation with Antonio Pappanoを聞いて

 

(https://www.youtube.com/live/55UizDSVpaA?si=lM7YunnW73-CFhya)

 

アントニオ・パッパーノとヨナス・カウフマン2人に対する1時間ちょっとのインタビューです。内容はROHの音楽監督として最後の公演となる「アンドレア・シェニエ」の音楽的な話題、パッパーノやカウフマンのキャリアー、リハーサルを含め二人が音楽を作り上げる上でのやり方や考え方、オペラを含め芸術の将来、パッパーノやカウフマンの新しい仕事に関する話、と色々沢山。

 

カウフマンとパッパーノは昔からお互いを信頼している仲の良い仕事仲間と感じられるインタビューでした。その中で私の興味を引いた話題(主に前半部分)をその感想(斜字)とともに書いてみます。

 

1. 二人の馴れ初めはブリュッセル(モネ劇場)での「ファウストの劫罰」(2002年)。この公演はパッパーノがブリュッセルを去る前の最後の公演だったそうです。

 

今回の「シェニエ」の公演も彼がROHを去る最後の公演なので両方のさよなら公演でカウフマンが歌うことになる、ということでパッパーノは少々感慨深げに見えました。

 

2. パッパーノが考えるヨナス・カウフマンの重要性

 

オペラにおけるヨナスの重要性はそのスペシャルな声と技術だけではない。教養があって外国語に通じているからドイツ語、フランス語、イタリア語で歌っても自在に完璧に彼自身を表現できるのだ。このような歌手はあまりいない。また彼がカバーする音楽の領域(レパートリー)は非常に広い。

 

ということで彼は「発音も上手い」と持ち上げましたが、これはカウフマンに「お世辞でしょ!」と言われ、大笑い。

 

3.「アンドレア・シェニエ」に関して、

 

パッパーノはこのオペラはオペラ版「風と共に去りぬ」だと指摘しています。

 

フランス革命によって貴族社会が崩壊したのと同様、南北戦争によって南部上流社会も崩壊します。このように社会が激変した結果、その変化についてゆけない人間も出てきます(シェニエやアシュレー)。上流階級の女性(マッダレーナやスカーレット)は全てを失ったばかりでなく、彼女らは経済的にも精神的にも肉体的にも非常に厳しい社会を生き抜いて行かねばならなかったのです。

 

4. パッパーノが指揮者になった次第

 

父親が声楽教師。小さい頃からピアノを習わされていたが初めのうちはあまり興味がなかった。10歳の頃には父親のお弟子さんのピアノ伴奏をしており、かなり若い時から初見で弾けた。学校から帰ると父のスタジオに行って夜9時まで働いていた。父とこのような仕事を12年間やった。

 

我々はアメリカに渡って同じことを続けた。けれど指揮者になろうと思ったことはなかった。しかし僕のピアノはオーケストラのようだ、指揮者になれ、と言われた。

 

そう言ってくれたのはドイツで歌っていた歌手だった。ちょうどその頃私はイタリア音楽の伴奏だけするのに飽き足らなくなっていた。当時私はNew York City Operaで働いていたのだが、ドイツ語を学びたくてヨーロッパに戻った。

 

その後フランクフルト、バルセロナ、シカゴを掛け持ちで伴奏していたがスカンジナヴィアで指揮者として働くチャンスがあった。

 

その時はものすごく大変だったが、私はコーチとして人々に何をどうすべきかを語るやり方を知っていた。だからそれと同じことをオーケストラの前でやったのだ。そして、今でもそんなことを続けている。

 

5. カウフマンが将来歌いたい役

 

あまり残っていない。おそらく「フェドーラ」「パレストリーナ」「ブリテンの作品」、それからロシアの作品を歌う可能性はあまりないけれど、あるとしたら「スペードの女王」 (2024.5.25 wrote)

 

2024.5.18

あれまあ、ROHでの Sir Antonio Pappanoのさよならガラにチャールズ3世も御臨席くださったようで。大変な名誉ですね。残念ながらTV放送やストリーミングは予定されてないらしい。

https://x.com/RoyalOperaHouse/status/1791446115352510792

 

2024.5.17

Diana Damrau, Ermonela Jaho, Lisette Oropesa, Sondra Radvanovsky, Nadine Sierra, Aigul Akhmetshina,

Xabier Anduaga, Freddie De Tommaso, Jonas Kaufmann, Carlos Álvarez, Amartuvshin Enkhbat, Huw Montague Rendall, Gerald Finley, Bryn Terfel, Insung Sim

 

ものすごく豪華な歌手たちが集まったアントニオ・パッパーノの退任記念の演奏会。この演奏会を聴きに行けた方はラッキー

https://twitter.com/tenorkaufmann/status/1791094394671583579

 

2024.5.11

変更が伝えられていましたBSでのミラノスカラ座「ドン・カルロ」の放送は5月26日(日)午前1時10分~ になりました。詳しくは本サイト「海外歌劇場シネマストリーミング など」でご覧ください。

 

2024.5.9

会員限定で2024.5.6 11:00amよりチロル・フェスティバルのプレセールが始まります。サブスクリプションの一般前売りは2024527より。個別チケットは2024.6.17より始まります。プログラムはこちら。

https://www.tiroler-festspiele.at/en/spielplan/spielplan-2024-2025

 

2024.5.2

29日付ニュースにありますように、Andrew Moravcsikさんは、ラダメスのアリア「チェレステ・アイーダ」に関して

「”Celeste Aida”の静かな上昇フレーズを滑らかに抑制されたレガートで弧を描くように歌い、1節の終わりから第2節までを一息で歌い、ヴェルディが指定した通りに最後の音を"morendo"で奏でる、、、(カウフマン以外に)いったい誰がこんなことをできるだろう? 

 

とお書きになりましたが、この”Celeste Aida”に関するカウフマンのコメントです。

 

https://twitter.com/tenorkaufmann/status/1784563245853864267

 

「(第1幕出だしに歌うので)体を温めておかねばならない等などあるけれど、このアリアが難しいのは身体的というより心理的なものだ。落ち着いて冷静でいなければならない、そして軽く歌わなければならない。僕としては歌い初めにフルボイスで歌う方を好む。ソフトに歌うのは難しい。だから歌曲で最初にソフトな曲を歌うのは難しい。オペラも似たようなもので、ソフトな歌い出しは難しい。

 

2024.4.30

ウイーン歌劇場の2024/25プログラムが発表されました。ヨナス・カウフマンが出演する講演は「道化師」だけ。2024.1.12/ 15/19/22です。演出はJean Pierre Ponnelleの昔からのやつ。Jonas Kufmann, Maria Agresta etc. 

 

ちなみに一緒に上演される「カヴァレリア・ルスティカーナ」ですが、Elina Garancaと最近人気上昇中の若手Jonathan Tetelmannが出演します。

 

さらに1月21日の公演、「Ariadone on Naxos」にはAdrian Erod, Kate Lindsey, Michael Spyres, Anna Netrebkoが出演します。連続2日でカウフマン、ガランチャ、ネトレプコ、スパイアース等の声が聴けますし、そのほかの歌手も人気と実力がある方々。なんとも豪華。さすがウイーン歌劇場。

 

チケット予約は5月13日から。

 

 

2024.4.29

評論:「アイーダ」バイエルン歌劇場 2024.4.21公演 を読んで

 

今回の公演は初演出でもなし、カウフマンは既に何回もラダメスを歌っているし。そのせいか評論の出が悪いです。見つけたのは1つだけ。この評論一つで公演を俯瞰するのも難しい。そこで、この評論(1)に出ていたカウフマン考をちょっと紹介するにとどめましょう。ただしカウフマンの調子は悪くなさそうです。

 

「彼はラダメスがやらなければならないことをやり遂げた。「チェレステ・アイーダ」の静かな上昇フレーズを滑らかに抑制されたレガートで弧を描くように歌い、1節の終わりから第2節までを一息で歌い、ヴェルディが指定した通りに最後の音を"morendo"で奏でる、、、いったい誰がこんなことをできるだろう?」 

 

「また、英雄的な場面、特に第3幕の最後を締めくくる司祭への降伏の意を示す場面で、カウフマンはイタリア的な響きを全開にして歌った。」「ともあれ、オぺラ愛好家が、「この役を歌うのを聴きに出かけたい」と思うただ一人のテノールであり続ける理由を彼ははっきりと示したのである。」

 

1. Opera Today 2024.4.23 by Andrew Moravcsik “Jonas Kaufmann in Aida at the Bayerische Staatsoper”

 

2024.4.28

本日のアムネリスはRaehann Bryce Davis

 

2024.4.27

Tiroler Festspiele Erl 2024/25に関して

https://www.facebook.com/photo/?fbid=1110778033494431&set=a.742309210341317&locale=ja_JP

 

ヨナス・カウフマンは今年からドイツバイエルン州と隣接するオーストリアチロル地方の小さな町、ERL、で開催されるTiroler Festspiele Erlの芸術監督になりました。昨年9月にあったインタビューでは、

 

「ザルツブルク音楽祭と競うつもりはない、人口8000人ほど(ウィキではERLの人口は1400と書いてありました)の小さな街で開催されるErl音楽祭は観客をショーに引きこみ満足して家に帰って貰うのが目的で、『あれは、、、,面白かったけれど二度と行かないよ』、とならない様にしたい」(1)

 

と言っていましたが、今回発表されたTiroler Festspiele Erl 2024/25の内容 (2) を見ると従来の内容を大幅に拡充した内容に変わっています。

 

もともとこの音楽祭の存在さえ知らなかった私、夏冬それぞれ2週間くらい開催される小さな音楽祭だと思っていたのですが、今回の記事を読むと、年間通して(感謝祭、冬、イースター、夏)運営される一つの大きな音楽祭として作られているのだということがわかりました。

 

この音楽祭の内容は多様で、室内楽、オペラ、クラシック、民族音楽、バロックから現代まで。さらにクラシックとポピュラー音楽の間を行き来するような楽しい音楽会も開催します。

 

主席指揮者はアッシャー・フィッシュで高水準な音楽を目指します。また若い音楽家の才能を伸ばすため、たとえば冬の「ラ・ボエーム」の場合歌手は30歳前後を想定し国際的な経験を積ませようとしています。また女性監督の起用も考えています。子供・家族向けの音楽教育プロジェクトも以前と同様継続されます。

 

で、実際のプログラム (3) を見たところ、出演歌手はざっと拾っただけで、Jonas Kaufmann, Lise Davidsen, René Pape, Rosa Feola, Luca Salsi, Camilla Nylund, Anita Rachvelishvili, Ludovic Tézier, Pretty Yende、、、、ってすごいです!

 

ちなみに「ワーグナーガラ」はワルキューレの第1幕で、Lise Davidsen, Jonas Kaufmann, René Papeが歌います。これベルリンフィルの新年コンサート並ではないですか。カウフマンの力も大したものです。

 

1. Radio France 2023.9.14 par Louis-Valentin Lopez、 Jonas Kaufmann : "L'opéra a toujours survécu"

https://www.radiofrance.fr/francemusique/jonas-kaufmann-l-opera-a-toujours-survecu-9570280

 

2. Tiroler Festspiele Erl 2024/25 概要

https://www.tiroler-festspiele.at/en/programme

 

3. Tiroler Festspiele Erl 2024/25 プログラム 

https://www.tiroler-festspiele.at/spielplan/spielplan-2024-2025

 

2024.4.25

またバイエルン歌劇場の「アイーダ」にキャストチェンジ。25日の公演ではアムネリスをEkaterina Semenchukが歌います。

https://twitter.com/tenorkaufmann/status/1783461477740855644

 

2024.4.22

あんれま、またバイエルン歌劇場の「アイーダ」でキャストチェンジがありました。カウフマンではありません。アニタ・ラチヴェリシュヴィリのキャンセルを受けて代役に立ったEve-Maud Hubeaux (ザルツブルクとテアトロ・サン・カルロのジョコンダに出演したメゾソプラノ)が病気でジェイミー・バートンに変わりました。ただし21日の公演のみの代役のようです。

https://www.staatsoper.de/stuecke/aida/2024-04-21-1900-14180

 

 

2024.4.21

評論「ラ・ジョコンダ」公演 Teatro San Carlo公演を読んで。

 

10日のプレミエに関して「カウフマンとネトレプコが成功をもたらした。彼らの歌は優雅でフレージングは自然。彼女は完璧だが、彼は少々トラブルあり。・・・・テジエは素晴らしい。」と書いた評論(1:Giornale della Musica)が有りましたが、カウフマンのトラブルは相当だったようで、

 

「有名なアリア “Cielo e Mar” では咳払いが多く、レガートラインを通すのに苦労していた。・・・・彼が苦労しているのは自明だった。しかし彼は(現在の状況に)妥協せず、アリアに対する彼の芸術的ヴィジョンを損なわないよう最善を尽くしていた。」(2:Operawire) 

 

「彼は素晴らしい存在感、テクニック、優れた音色を持っている。しかし彼の声は非常に疲れているように聞こえた」(3:bachtrack)などと書かれています。

 

ところがOperawireは、1回目と2回目の公演両方を見たDavid Salazarによる補筆記事を追加しました(2)。その理由は2回目の公演内容が1回目と著しく異なっていたからです。

 

補筆記事を書いたDavid Salazarさんはその底知れないオペラの知識(全てのオペラの台本や楽譜をほとんど誦じているのではないかと思えるほど。声楽に対する知識も深い。)、音楽に対する鋭い感性、冷静な評価で私が最も尊敬かつ信頼する評論家です。

 

彼は「1つのパーフォーマンスだけを見て公演を評価するのには限界がある。複数のパーフォーマンスを見て評価するという考えを私は支持する。それゆえ今回の追加記事を書くことにした」と言っています。

 

その追加記事(2)では、

 

「確かに1回目の公演は主要な歌手達(アンナ・ネトレプコとヨナス・カウフマンのこと)が公演を歌いこなせるかどうか心配した。」 ちなみにネトレプコも調子が悪く、「最後の幕直前でほとんど声を失ったが歌い続けることに決めた」ことをソーシャルメディアで認めているそうです。

 

「カウフマンの初日は絶え間ない咳払いだった。しかし2回目は違った。レガートのラインの一部にまだ瑕疵があり、中音域にいくつかの音の乱れがあったものの、”Cielo e mar” はカウフマンの最高の状態であり、ラインは滑らか、柔軟性のある声で、このテノール歌手が最初の夜にしようとしていたのと同じ情熱的な表現だった。」

 

「(アリアの)最後のBフラットは、彼の十八番であるメッツァ・ディ・ヴォーチェで輝かしく歌った。・・・・聴衆は彼の演奏に熱狂し、”Cielo e mar” の終わりを盛大な拍手で迎えた。」「それはビンテージのカウフマンでパーフォーマンスの間ずっとテナーは最高の状態を保ち続けた。」

 

と書かれています。さらに、

 

アンナ・ネトレプコも復活。彼女とカウフマンとの絡みも前回よりリラックスして大胆。さらに彼女とテジエのやりとりも素晴らしく改善されていたようです。書き遅れましたが、リュドヴィック・テジエはほぼ完璧で、どの評論でも絶賛されていました。

 

最後に「この2回目の公演が1回目の公演に期待していた全てを満たしていた。」 とDavid Salazarさんは書いています。

 

ところで、1回目の公演にはカメラが入っていたが、2回目の公演にカメラは見当たらなかったそうです。3回目の公演はどうだったか不明。

 

1. Giornale della Musica, 12 APRIL 2024, by Salvatore Morra

https://www.giornaledellamusica.it/recensioni/trionfale-gioconda

2. Operawire April 12,2024, by Francisco Salazar + 追記 by David Salazar

https://operawire.com/teatro-san-carlo-2023-24-review-la-gioconda/

3. Bachtrack 12 April 2024, by Lorenzo Fiorito,

https://bachtrack.com/review-gioconda-netrebko-tezier-kaufmann-gilbert-steinberg-teatro-san-carlo-naples-april-2024

(2024.4.20 wrote)

 

2024.4.20

テアトロサンカルロでの全4回の公演は16日に終わりました。が、1回目と2回目の評価が全く異なるという珍しいケースになりました。評論は近々に。

 

2024.4.15

テアトロサンカルロでの公演演は残り一回。

https://twitter.com/teatrosancarlo/status/1779173991875313719

 

2024.4.11

グラモフォン、インタビュー記事を読んでの感想(1)。

Gramophone by Mark Pullinger 2024.4.5

 

https://www.gramophone.co.uk/features/article/jonas-kaufmann-interview-i-could-sing-parsifal-many-times-every-year-but-i-don-t-it-s-too-precious-to-just-use-it-as-a-vehicle-to-make-money?utm_term=Autofeed&utm_campaign=Echobox&utm_medium=Social&utm_source=Twitter#Echobox=1712349425

 

このインタビューはGramophone3月号に掲載されたものですが、4月にネット公開されました。

 

ヨナス・カウフマンの「パルジファル」に対する想いやプッチーニのオペラの特性(特に「トゥーランドット)」などに対する考えがよく表されていて面白かったです。

 

とにかく長〜〜いインタビューなので、私の興味を引いた部分だけを感想を交え書いてみます。私が飛ばした部分にも面白いことがたくさん出ていたのでインタビュー全体をご覧になりたい方はこちらの元文をお読みください。

 

インタビューの多くを占めるのは「パルジファル」関連記事。ウイーン歌劇場での無観客公演「パルジファル」のCDが売り出されたのでその宣伝もあるのでしょう。彼は今回のCDについて共演者エリナ・ガランチャ、ルドヴィク・テジエ、ゲオルグ・ツェッペンフェルトを賞賛していますが、演出については批判しています。

 

彼は以前から「演出家は作曲者の意図を尊重しなければならない。もし演出家が作曲家の意図を無視し、演出家独自の考えでオペラを上塗りしようとすると音楽と演出とが乖離する。そうすると歌手が舞台で心を込めて歌うのが難しくなる」と力説しています。今回も似たようなことを、角が立たないように婉曲的で抽象的な一般論として語っています。

 

彼としては、今回の「パルジファル」は(DVDでなく)CDで出すのが良いと思っているようです。

 

もう一つ私が興味を持ったのはワーグナー作品の歌い方とテノール役の特性について

 

彼によれば「ドイツ語はザラザラしていて滑らかではないと評価されている。それなのに(そのドイツ語を)可能な限りレガートで歌わねばならないのは― とりわけネイティブスピーカーにとって ー大変な挑戦である」。

 

「ワーグナーの役は歌うよりも吠えることが多かった時代があった。ワーグナー歌いとしてはオーケストラピットを超えて歌の大きなラインを観客に届ける強力なパワーを持たなければならない。しかし同時に美しさ、新鮮さ、そして真のワーグナーを理解するために必要なベルカント的フレーズを持たなければない。」とおっしゃっておられます。

 

(ただし上記は彼の主張です。ワーグナーの歌い方に関して異なった考えを持っているグループも存在します。Iltrovatore)

 

又テノール役の音域について、「一般的にヴァルター、ローエングリン、タンホイザーなどは比較的高いテッシトゥーラ(音域)部分がある。一方パルジファルとジークムントは相対的に低い。パルジファル、そして更に低く英雄的なサウンドが必要なジークムントを歌うのは自分にとって比較的楽」と述べています。

 

いずれにしても、「ワーグナーの高音はA♭かA、それがマックス。」とおっしゃっていますが、本当ですか?もしご存じの方がいらっしゃいましたらお教えください。

 

ちなみに、彼はもともと広い音域を持つ歌手ですが、「自分は男性の全音域を持っていて、誰も聞きたくはないだろうが、理論的にはザラストロも歌える」と言っています! 確かザラストロは低音Fまであってバス歌手でもこの音を美しく響かせるのは2024難しいです。

 

次回はプッチーニその他、および将来歌いたい役についてのコメントです。(2024.4.10 wrote)

 

 

2024.4.11

The Teatro San Carloでの「ジョコンダ」が始まりました。こちらの方はトラディッショナルな演出の様に見えます。https://www.youtube.com/shorts/l-Xgvf3D4hs

 

2024.4.6

外国歌劇場バックステージツアー情報:各歌劇場のシステム変更が多数あり、多くのリンクが切れていたため書き直しました。しかし変更多すぎ。もし間違えがあったら連絡をいただければ嬉しいです。

 

2024.4.5

The Teatro San Carloでの「ジョコンダ」で、ラウラ役がAnita RachvelishviliからEve-Maud Hubeaux に変わりました。Eve-Maud Hubeauxはつい最近のザルツブルク「ジョコンダ」にラウラ役で出演していたメゾです。しかし、アニタさんのキャンセルは、悲しいです。

https://www.teatrosancarlo.it/en/spettacoli/la-gioconda-23-24.html

 

2024.4.4

Teatro San Carloでの「La Gioconda」 記者会見。カウフマンも出席。

https://www.facebook.com/photo?fbid=819132660242304&set=a.641645917990980

 

2024.4.1

La Giocondaの評論を読んで

 

ザルツブルクの「ジョコンダ」はAnna Netrebko, Jonas Kaufmann, Luca Salsi と人気歌手を集めた注目の公演です。

 

今回はOliver Mearsによる新演出でした。が、、、、、

 

現代に舞台を移したのは問題ないとしても、その演出では:ジョコンダの母親はジョコンダを使って金を巻き上げる、司法長官(ラウラの夫)とバルバナはジョコンダに腹を刺されて死ぬ、ところがジョコンダは死なない、と台本無視の演出だったようです。

 

「粗雑な筋書きと部分的にしか一貫性のない演出」(1)、「異様な試みで演出家は観客に寛容さを要求する」 (1) とか書かれております。このような評論から判断するに、今回の演出は「自殺」がテーマのこのオペラの音楽とマッチせず、演出家の一人勝手演出のようになったのではないかと思えます。

 

今回の公演で最も注目されたのはネトレプコ。フェスティバルホール前ではネトレプコ出演に対する非難のデモが繰り広げられていたようですが、私が読んだいくつかの評論は全て彼女に好意的でした。

 

そのネトレプコですが、絶賛している評論が多いです(1,2,3)。ジョコンダは中音域の多い役 (2) なので、音質が暗めで中音域が豊かに充実した彼女の声にはピッタリ合っていると思われます。

 

さてカウフマンです。「彼はイタリアオペラの最も困難なテノール役を輝かしい高音で歌い上げる」(4)。特に有名なアリア "Cielo e mar" では「膨らんで盛り上がる最後の音を含め、声の揺らぎと広がりが完璧にブレンドされた発声表現」(2)、などと評されていますが、それ以外は「不必要に控えめ」(1)、「ハンドブレーキオン」の状態であった(2)と書かれています。

 

カウフマンが演じるエンツォは分別のない軽薄な青年貴族です。バルナバに操られた彼の軽率な行動は自らを含めラウラやジョコンダを危機的状況に陥れます。しかしジョコンダの大いなる自己犠牲に助けられ、彼は幸せいっぱいでヴェネチアを去ってゆきます。ただし、彼が彼女の犠牲の重みを理解できているとは思えません。

 

ですからこのようなキャラクターを歌うのは能天気で若々しく明るい声の持ち主が似合うような気がします。

 

さらにこのオペラを牽引するのはジョコンダとバルナバでありエンツォではありません。ですからカウフマンがあまり大きな存在感を出してしまうとストーリー上のバランスが悪くなるし、などと思うので、彼が控えめに歌っているのも、まあそれも悪くはないのではないか、と考えてしまいます。

 

1.BR Klassik 2024.3.24  von Franziska Stürz

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/la-gioconda-ponchielli-salzburger-osterfestspiele-100.html

 

2.Merkur 2024.3.24 von Markus Thiel

https://www.merkur.de/kultur/la-gioconda-osterfestspiele-salzburg-anna-netrebko-jonas-kaufmann-antonio-pappano-ponchielli-kritik-zr-92910385.html

 

3. Der Standard 2024.3.24 von Ljubiša Tošic

https://www.derstandard.at/consent/tcf/story/3000000213077/la-gioconda-mit-anna-netrebko-und-jonas-kaufmann-in-salzburg

 

4. Opera Online 2024.3.24 von Dr. Helmut Christian Mayer

https://www.opera-online.com/de/columns/hmayer/la-gioconda-bei-den-salzburger-osterfestspielen-leidenschaften-nur-im-musikalischen?fbclid=IwAR2Hw3tP5atkJxAjJ5GyAs4J6YeM0Nxzgi8LqdXysZoqHGtHYx923F6aHH0

 

2024.3.30

Il Giornoによると、ミラノスカラ座の2024/25シーズン開幕公演 (12月7日)は「運命の力」。出演は

Anna Netrebko, Jonas Kaufmann, Ludovic Tezier. 指揮Riccardo Chailly、演出Leo Muscatoになるそうです。

https://www.ilgiorno.it/milano/cultura/scala-stagione-2024-2025-11f6e917

 

Anna Netrebko, Jonas Kaufmann, Ludovic Tezier、、、あれあれ2019年ROH「運命の力」公演と同じ主要メンバーです。その時は大変素晴らしい公演でしたが (参考までに、観賞記:運命の力)、5年過ぎた現在ではどうでしょう。

 

この公演はいずれNHKで放送されるだろうと思います。

 

2024.3.23

本日ザルツブルクでの「ジョコンダ」公演が始まります。

https://youtu.be/NwS1oB95a3E?si=L8zcprygDElL5bm-

 

2024.3.21

ザルツブルクでの「ジョコンダ」公演は明後日から。3公演ありますが、全て完売なので、もしネトレプコ&カウフマンの「ジョコンダ」を聴きたいと思われる方はナポリ公演の4月7日しかないです。発売が始まったばかりですし、この講演があるとの情報も行き渡っていないのでかなり沢山の空席があります。ただしカウフマンの正式スケジュールにはまだ掲載されていません。

 

2024.3.19 

テアトロ・サン・カルロでの「ジョコンダ」が1日増え4月7日にも公演があります。

https://www.teatrosancarlo.it/en/spettacoli/la-gioconda-netrebko-2024.html

既定の3公演は全て完売なので4月7日のみまだチケットを買うことができます。

 

この公演はアンナ・ネトレプコの舞台デビュー30周年を祝しての特別公演で、共演者もAチーム (Anita Rachvelishvilli, Jonas Kaufmann, Ludovic Tezier)となります。

ちなみに、Bチームの出演者はLianna Haroutounian、Anna Maria Chiuri、Angelo Villari、Ernesto Petti。

 

ただし、これは劇場側の発表で、カウフマンの正式スケジュールにはまだ掲載されていません。

 

2024.3.16

バイエルン歌劇場2024/25スケジュールの発表がありました。

Jonas Kaufmann出演演目は新演出の「道化師」。「カヴァレリア・ルスティカーナ」とのダブルビルですがカウフマンが出るのは「道化師」だけです。配役は、

Nedda:Ailyn Perez

Canio:Jonas Kaufman

Tonio:Wolfgang Koch

Beppo:Granite Musliu

SilvioMattia Olivieri

 

日程 2025.5.22/5.29/6.1/6.4/6.8/7.9/7.12

さらに、2025.7.26に”Festival song evening Jonas Kaufmann”があります。ピアノ伴奏はもちろんHelmut Deutsch。

ちなみに、「カヴァレリア・ルスティカーナ」はYulia MatochkinaとVittorio Grigoloが出演します。

 

2024.3.16

ザルツブルクイースターフェスティバル「ジョコンダ」の座席リハーサル風景

https://www.facebook.com/osterfestspiele/posts/916677523796703?ref

 

2024.3.7

Rehearsals for “La Gioconda”

https://twitter.com/tenorkaufmann/status/1765366091134517648

 

2024.3.5

テアトロ・サンカルロでの公演。ナポリの歌劇場は美しいですね。

https://twitter.com/teatrosancarlo/status/1764626092508229927

 

2024.3.3

Jonas Kaufmannは“The sound of movies”ツアーをほぼ終えました(5月に一回残っている)。現在ザルツブルクで「ジョコンダ」のリハーサルを行なっている模様です。

 

最近のインタビュー(1)によれば、「(ジョコンダのエンツォ・グリマルドは)とても難しい役です。メロディーはとても美しいけれど、ストーリーは少し複雑です。ほとんど上演され無い作品でカラスの名前と紐つけられています。ネトレプコはこの役に挑戦することを決めました、そして僕も同様です。僕たちはキャリアー上よく似たステージにいます。若くはないけれど年取ってはいない。僕らはザルツブルクで自分自身を奮い起こしたいのです。」と言っています。

 

カウフマンは以前演奏会方式でこの役を歌ったことがありますけれど、舞台では初めてです。「ジョコンダ」はザルツブルクに引きナポリでも上演されます。ネトレプコとカウフマンは両方とも出演しますが、敵役バルバナはルカ・サルシ(ザルツブルク)からリュドイック・テジエ(ナポリ)に変わります。いずれにしても良いメンバーです。私といたしましては、ザルツブルクの場合はNHKに頑張ってもらうか、ナポリならば有料ストリーミングをお願いしたいところです。

 

1.Il mattino 2024.3.2 di Donatella Longobardi, Kaufmann torna a Napoli: «Come Caruso amo la vita» 

 https://www.ilmattino.it/spettacoli/musica/kaufmann_napoli_come_caruso_amo_la_vita-7968346.html 

2024.2.27

“The sound of movies”ツアーはスメタナホールでの公演を終え、次は3月2日のテアトロ・サン・カルロです。

 

2024.2.24

Operawireの記事(1)が、財政的困難によりMETの2024/25シーズンはいくつかの新演出を延期することになったと伝えています。さらにMET HDの演目も8つ(従来は10)に減らされています。

 

また、この記事ではAP article(2)に出ていた今年度のオペラ公演のチケット販売率を紹介していて、

 

”(Malcolm) X” 78%、”Florencia en el Amazonas” 68%, “Dead Man Walking”62%

一方クラッシックな演目、”カルメン” 84%、 “魔笛”87%、“ボエーム”74%、”ナブッコ” 71%, “タンホイザー” 64%、”仮面舞踏会” 56%、だそうです。

 

これらの情報からiltrovatoreが推察するに、新作でもクラシカルな演目でもウイーン歌劇場などの販売率には遠く及ばないのがMETの現状です。公的な補助で支えられている歌劇場(ヨーロッパ、特にドイツ)と異なり、公的な援助がほぼ無いMETでのチケット販売率の低さはこれからも深刻な問題であり続けるでしょう。

 

1. https://operawire.com/metropolitan-opera-cuts-one-production-for-2024-25-season-decreases-hds/

2. https://www.news4jax.com/entertainment/2024/02/21/financially-struggling-met-opera-to-present-18-productions-next-season-the-fewest-since-1980-81/

 

2024.2.23

MET 2024/25スケジュールが発表されました。MET ライブビューイング予定は海外歌劇場&streamingのページ、METの項にまとめてあります。

 

ETライブビューイングになる演目を見て、少々のコメント。

「ホフマン物語」Benjamin Bernheimが出演。Vasilisa Berzhanskayaは最近人気が出てきたメゾの若手。

「トスカ」Lise DavidsenとFreddie De Tommazoが出演。両人とも声・歌唱とも相当の実力があり人気爆上げ中。

「アイーダ」画像で見たかぎり、ヘンテコな時代読み替え演出ではないと想像している。

「セヴィリアの理髪師」メゾのAigul Akhmetshina,とMETデビューのJack Swansonに注目。Swansonは1992年生まれ。高い技術と余裕のハイCを持つリリックテノール。

 

2024.2.22

 

新国立劇場オペラ 2024/25スケジュールが発表されました。海外歌劇場&streamingのページ、新国立の項にまとめてあります。新国立劇場の情報ページはこちら https://www.nntt.jac.go.jp/opera/variety/

 

2024.2.22

新国立劇場オペラ 2024/25スケジュールが発表されました。海外歌劇場&streamingのページ、新国立の項にまとめてあります。新国立劇場の情報ページはこちら(https://www.nntt.jac.go.jp/opera/variety/)

 

ちらっとみたところ、ローレンス・ブラウンリー、オルガ・ペレチャッコ、エフゲニー・ニキティン、ローザ・フェオーラなど、世界トップ歌劇場の常連歌手も出演するようです。

 

パヴォル・ブレスリック、アタラ・アヤンの二人も舞台で聞いたことがありますが、なかなか良い声をしていると思っています。出演者の皆様願わくばキャンセル無きようお願いします。

 

2024.2.21

"The Sound of movies " ツアーが再開されました。

https://www.facebook.com/kaufmannjonas/posts/965809718248174?ref=embed_post

 

2024.2.16

バイエルン歌劇場の2024/25スケジュールは2024.3.16, 10am (現地時間)に発表されます。MET2024/25のスケジュール発表は2024.2.21, 12PM(現地時間)

 

2024.2.3

2月4日予定の"The Sound of Movies"コンサートは病気のため5月7日に延期です。

 

2024.2.1

あんれまあ、2月2日の"The Sound of Movies"コンサートは病気のため3月2日に延期です。

 

2024.1.21

フランツ・ベッケンバウアーの追悼式で歌うヨナス・カウフマン

https://youtu.be/vHr1TWb_gkQ?si=3rnSod51mCyhje2Q

https://youtu.be/9aD8YhuyfQA?si=XkIpfn-w8Yg-pRqH

 

2024.1.20

海外歌劇場シネマ&ストリーミングページに「ミラノスカラ座 LaScala TV  2024年ライブストリーミング予定」を追加しました。なかなか面白そうな演目が並んでいます。

 

2024.1.19

ヨナス・カウフマンは、1月19日(金)アリアンツ・アレーナで行われるフランツ・ベッケンバウアーの追悼式で3曲を歌います歌うのは Time to say Goodbye」(イタリア語版「Con te partiro」)「E più ti penso」「Nessun dorma」。この追悼式はARD,BR,RTL,ntvで生中継されます。

 

2024.1.18

バイエルン歌劇場 Oper für alle 「トスカ」 2024.7.27 live broadcast 予定の公演、Anja Harterosは2024年も歌わず、代役はEleonora Burattoになりました。

 

2024.1.14

ヨナス・カウフマンがフランスからChevalier de l’Ordre national de la Légion d’honneur (レジオンドヌール勲章、シェヴァリエ)を授与されました。レジオンドヌール勲章はフランスの最高位の勲章とされています。

 

「フランスオペラを世界の劇場での重要演目に仕立て上げた芸術の巨匠に対する叙勲」と駐オーストリア・フランス大使Gilles Pécoutが述べています。こちら(https://jonaskaufmann.com/en/news/)。

https://twitter.com/tenorkaufmann/status/1746263282632069493

 

2024.1.11

ディアナ・ダムラウが『オペレッタ~ウィーン・ベルリン・パリ』というアルバムを出しました。全18曲のうち3曲(以下)をヨナス・カウフマンとデュエットで歌っています。

 

コルンゴルト、オペレッタ「愛の歌」、「少し浮気」

シュトルツ、オペレッタ「白馬亭にて」、「私が愛する歌はワルツ」

ホイベルガー、オペレッタ「オペラ舞踏会」、「別室へ行きましょう」

https://publish.twitter.com/?query=https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Ftenorkaufmann%2Fstatus%2F1745058014367760781&widget=Tweet

 

2024.1.10

評論「ベルリンフィル ジルベスターコンサート、ワルキューレ第1幕」を読んで、

 

年末に3日連続で恒例のベルリンフィルのコンサートがありました。今年はワーグナーで、前半が「タンホイザー」の前奏曲とヴェーヌスベルクのバッカナールのセット。後半が演奏会方式での「ワルキューレ」第1幕で、どちらかと言うと後半がメインの公演でした。ちなみに公演は全て完売。

 

さて「ワルキューレ」第1幕です。カウフマンの歌はまだいくらか声を押している感があるものの、以前(1年以上昔)のように歌っているなあなどと思いながら聞いていました。私的には彼の歌が上手かったとかなんとかよりも、とにかくちゃんと歌えるように戻ったのが嬉しい。

 

いくつかの評論を見るに、ヨナス・カウフマンは高評価。

 

「ヨナス・カウフマンが歌うのは大いなる喜びだ。大規模なコルチゾン治療の後、彼は再び力強く輝いている。世界的に有名でありながら、とても気取らないこのスターは、最近いったい何度、出演を短縮したり、出演を取りやめたりしたことだろう。」(1)

 

「今は--2022年のベルリン大晦日コンサートとは違い--もう(彼の)咳は聞こえない。その代わり、完璧な高音と彼の特徴であるブロンズバリトンが戻ってきた。」(1)。(なるほど昨年の暮れはすでに多剤耐性菌に感染していて公演中でも咳が酷かったんでしょう。)

 

「ヨナス・カウフマンは、せきたてられるヴェルズング族の若者の姿を説得力たっぷりに描き出し、魅惑的な “Winterstürme”では叙情的なハーモニーを聴かせる。彼の” Wälse”への呼びかけは記録的な長さで、最後の「Wälsungenblut」は情熱的な輝きを放っている。後になればこのテノールがなぜこれほど有名なのかが改めてわかるだろう。彼のテキストの理解力は素晴らしい。」(2)

 

「ヨナス・カウフマンは、舞台では常にその人気ゆえ(上手く歌わなければならないという)重荷を背負わなければならないが、今晩は完璧な説得力がある。」(2)

 

「幸いなことに、ヨナス・カウフマンが絶好調で戻ってきた。彼は魅力的で多彩な色彩感を持つ逞しい英雄的テノールで、ヴィッカーズを彷彿とさせる。よくサポートされた(しっかりと支えられた)弱音から勇壮なアタックまで多様なやり方で暗い情熱をたぎらせる。”ヴェルゼ”は終わりがないかのようで、「冬の嵐」は叙情的なエクスタシーへと花開く。」(3)

 

「(彼は)魅力的なキャラクターを描き出す。それは知的な言葉と音色が共存し、楽々と(のように見える)ドラマチックな力を発揮する点において、最も偉大な先人達(が表現した)キャラクターに匹敵しうる」(3)

 

などと誉められています。

 

共演者のソプラノ、Vida Miknevičiūtė。この方は昨年テアトロ・サンカルロでの「ワルキューレ」でもカウフマンと共演していましたが、今回も大変良い評価をもらっています。体つきはスリムですがとても魅力的な表現ができる方のように感じられます。

 

そういえば、彼女を「可能性を秘めた若手ドラマティックソプラノの3人の中の一人」と評している人もいました。その3人とは、アスミック・グリゴリアン、リセ・ダヴィッドセン、そして今回のヴィダ・ミクネヴィチュテだそうです(4)。

 

またフンディング役のGeorg Zeppenfeldもいつものように好評だったのですが、ストリーミング時はキャンセルで、彼の代わりにTobias Kehrerがジャンプインで歌いました。この方も好評でした。

 

最後に、「3人のソリストがこれほど上手に歌えるのは、主にキリル・ペトレンコのサポートのおかげだ。 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で指揮をしているものの、ペトレンコは傑出したオペラ指揮者であり続けている」(4)、というコメントは付け加えなければならないでしょう。私的には激しく賛同いたします。

 

1. Online Merker  2023.12.31 von Ursula Wiegand  

2. Klassik begeistert  Peter Sommeregger, December 30, 2023

3. Online Merker 2024.1.1 von Dr. Ingobert Waltenberger

4. ResMusica January 1 , 2024 by Dominique Adrian

 

1. https://onlinemerker.com/berlin-philharmonie-silvesterkonzert-mit-wagner-vida-mikneviciute-und-jonas-kaufmann/

2. https://klassik-begeistert.de/s-i-l-v-e-s-t-e-r-k-o-n-z-e-r-t-richard-wagner-philharmonie-berlin-29-dezember-2023/

3. https://onlinemerker.com/berlin-zoopalast-silvesterkonzert-der-berliner-philharmoniker-live-im-kino-wagnersternstunde/

4. https://www.resmusica.com/2024/01/01/a-berlin-la-saint-sylvestre-est-wagnerienne-avec-petrenko-et-kaufmann/

 

2024.1.1

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 

2023年ベルリンフィルジルベスターコンサートに関して

 

演奏が始まる前にオーケストラ団員、キリル・ペトレンコ、そして「ワルキューレ第1幕」演奏の前にヨナス・カウフマンへのインタビューがありました。

 

インタビューの内容をいくつか報告します。1回聞いた私の記憶のみに頼っているので不正確なところがあればお知らせください。

 

1. オーケストラ団員へのインタビュー

・「ワルキューレ」は第1幕はlow register (主に低音を担う)の楽器が活躍するが、第3幕はhigh resister (主に高音を担う) 楽器が活躍する。 

・ワーグナーはライトモチーフ、特定の人物や事象に対して使われる特定の短いフレーズ(動機)を使っている。例えばジークリンデがフンディングのことを考える時:フンディングがその場にいなくても、フンディングのライトモチーフが演奏されると彼女が彼のことを考えているのがわかる。

・このようなライトモチーフは「スターウォーズ」でも使われている。例えばダス・ベーダーのライトモチーフ。

(ついでに言うと、映画「指輪物語」でもライトモチーフが採用されています。iltrovatore)

 

2. キリル・ペトレンコへのインタビュー

・「ワルキューレ第1幕」はコンサート形式での演奏にフィットする。登場人物が3人しかいないとか。

・ワーグナーはオペラの改革者である。彼は自分で台本を書いているが、ト書きに書かれている内容も音楽が表現している。

・ワーグナーは決して大きな音を要求していない。

 

3. カウフマンに対するインタビュー

・基本「ワルキューレ」の粗筋と「ニーベルングの指輪」の説明を少々。

・「ワルキューレ」でジークムントは第1幕(ちょっとだけ第2幕)を歌うだけだが疲れる。

 

演奏会への評論がいくつか出始めたので近々報告する予定です。ちなみにカウフマンの歌は全体的に観て良かったと考えています。録画を聞いた限りですが、ごく小さな瑕疵がいくつかはあったけれど、レガートな歌いぶりで、歌が大きなアークを作っているのがわかります。やっぱりカウフマンはカラフよりジークムントの方がフィットすると思いました。