アンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)

ダントツの歌唱力、演技力、美貌を兼ね備えた現在世界で人気ナンバーワンソプラノ。

 

1971年生まれ、現在47才。ロシア南部のクラスノダール(黒海から少々内陸に入った所にある地方都市で、昔はコサックが治めていた所)で生まれた。

 

彼女がサンクトペテルブルク音楽院で声楽を学んでいた頃ソ連が崩壊しロシアは混乱状態に陥る。歌劇場も例外ではなかった。当時、現マリンスキー劇場の維持・立て直しに奮闘していた芸術監督ヴァレリー・ゲルギエフはアンナ・ネトレプコの才能を見いだし、抜擢する。

 

彼女は1994年「フィガロの結婚」スザンナ役でマリンスキー劇場デビュー、更に2002年「戦争と平和」ナターシャ役でMETに衝撃的なデビューを飾る。 MET HDの常連となっていいる。

「アンナ・ネトレプコと友達 1989年」 ネトレプコ18才の頃、いかにも学生っぽい。すでに歌が上手い。歌っているのは、チャイコフスキー作曲「スペードの女王」第2幕劇中劇「誠実な女羊飼い」クロエ役


MET、愛の妙薬


 

彼女はウラジミル・プーチンよりロシア国家賞を与えられており、ソチ・オリンピックやロシアでのワールドサッカーガラでも歌っている。一方オーストリア市民権を持っており「オーストリア宮廷歌手」の称号も授与されている。

 

若い頃はモーツアルトやベルカントオペラを歌っていたリリックソプラノであったが、お子さんが生まれた後くらいから中音域も充実し、マクベス夫人やトゥランドットなどドラマチックなスピント役をこなしている。歌手は一般的に年齢が上がるにつれて声は充実して重くなってゆく傾向があるが、彼女の声質の変化は特にはっきりとしている。

 

 ところで、一見女帝風、言いたいことを言い、やりたいことをやって順風満帆に見える彼女ではあるが、元パートナーだったアーウイン・シュロットとの間にできたお子さん、ティアゴくんは自閉症だっため彼女はとても苦労していた様だ (Anna Netrebko: «L’autismo non mi porterà via mio figlio», Buonenotizie, 2018.1.10)。しかしティアゴ君を愛し家庭内での教育を共に担うよき伴侶、ユーシフ・エイヴァゾフを得たことが彼女の幸せとなっているように思える。

 

彼女は最近ずっとユーシフ・エイヴァゾフを相手役として歌っていて、彼以外のテノールと歌う機会は少ない。彼の音楽的・演劇的資質についてiltrovatoreは自分なりの考えを持っているが、まあ彼女が幸せに歌ってくれるのなら、と納得している。 (2019.03.10.wrote、2021.3.12一部改訂) 番外地へ戻る