オペラ解説:「トスカ」“Tosca” ジャコモ・プッチーニ作曲

 

アンドレア・シェニエと同様、きっちりと歴史上の出来事に沿った台本を元に作曲されたので、軽々しく読み替えをすると音楽の力が失われてしまうオペラ。

 

元々有名な女優、サラ・ベルナールが演じたヴィクトリアン・サルドゥの戯曲に則って作られたオペラで筋立てが劇的です。その上魅力的なアリアも多く世界で最もよく上演されるオペラの一つとなっています。

 

ただし初演時、批評家の評価は良くありませんでした。例えばグスタフ・マーラーは

 

“第1幕の教皇が登場する場面では、教会の鐘が鳴りっぱなし。第2幕では男が拷問にかけられて恐ろしい悲鳴を上げ、別の男がナイフで刺し殺される。第3幕ではローマ市の全景、凄まじい鐘の連打、ある中隊の兵士が銃殺される。…今更これを最大級の駄作だ、等という必要はあるまい。”(「トスカ」 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2020年1月1日 (水) 16:43‎ より)

 

と言っていますが、観衆は熱狂的に受け入れたそうです。

 

「トスカ」と「アンドレア・シェニエ」は良く似ています。この2つのオペラの主人公3人達のキャラクター比較を書いた記事があります(iltrovatoreのオペラ解説ページ、「アンドレア・シェニエ」と「トスカ」キャラクター編)。また「トスカ」と「アンドレア・シェニエ」の時代背景を書いた記事もありますので、興味のある方はご覧ください。

 

 

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アンドレア・シェニエはフランス革命時の恐怖政治の中で1974年ギロチンにかけられますが、それから約25年後、対仏戦争で台頭したナポレオンはフランス軍を率いてイタリアを侵略します。

 

ナポレオンはローマを制圧し、ローマ共和国 "La Repubblica Romana"(1798.2.15~99.9.30)を樹立します。しかし「トスカ」の時代、その共和国は崩壊し王政に戻っています。

 

その頃、領主の圧政に苦しむイタリアの人々はナポレオンを「我らが解放者」と考える者も多く、カヴァラドッシもその一人。

 

それ故、彼はサンタンジェロ城から脱獄したアンジェロッティを、親しみを込めて 「アンジェロッティ!消滅したローマ共和国の統領」 "Angelotti! Il Console della spenta repubblica romana"と呼ぶのです。

 

スカルピアが言うところのボルテール派(いわゆる自由主義者でナポレオン支持者)カヴァラドッシにとってアンジェロッティは自由を守る重要人物で、だからこそ命を賭けても救いたい人物だったのでしょう。

 

ナポレオンは1800年の春エジプト遠征に乗り出し、彼の不在を好機と見たオーストリア等の国々は第二次対仏同盟を結成しフランスに戦いを挑みます。 1800年6月14日、マレンゴ(イタリア北部の町)におけるオーストリア軍との戦いでナポレオンは窮地に追い込まれるも、最後逆襲に成功し勝利を得ます。 

 

この日、前半の戦いで勝利を確信したオーストリア軍の将軍メラスは勝報をウイーンに送りましたが、それは軽率というものでした。 

 

「トスカ」は、まさにこの1800年6月14日の事件を聞き知ったローマが舞台になっています。第1幕では「マレンゴの戦いでナポレオン・ボナパルト敗退」 の知らせ(誤報)を聞いた堂守が子供達と喜び合い、 教会では感謝のミサが捧げられ、ファルネーゼ宮では祝宴が張られてトスカが急遽歌うことになるのです。

 

しかし第2幕で、カヴァラドッシを拷問していたスカルピアは部下のシャッローネから「マレンゴで」「ボナパルトが勝利しました!」「メラス将軍は敗走中です!」と聞かされるのです。 


第1幕:聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会

 

オペラはスカルピアを表現する3小節の短く威圧的な和音で始まる。

 

サンタンジェロ城の牢獄から命からがら逃げ出してきたアンジェロッティは、妹アッタヴァンティ侯爵夫人の指示に従ってこの教会に隠れる。

 

この教会ではマリオ・カヴァラドッシが、熱心に祈る見知らぬ美人(実はアッタヴァンティ侯爵夫人)をモデルにして聖母マリアの絵を描いている。彼は愛人フローリア・トスカの茶色の髪・黒い目と、見知らぬ美人の金髪・青い眼を比較し「全く違った美しさの絶妙なハーモニー、しかし自分が愛するのはトスカ、君だけだ!」と歌う。(「妙なる調和」”Recondita armonia”

2014年、チェコ、プラハ、 ヨナス・カウフマン

歌詞対訳:「妙なる調和」

Recondita armonia 

全く違った美しさの

 

di bellezze diverse!... 

絶妙なハーモニーなのだ!・・・

 

È bruna Floria, l'ardente amante mia...

茶色の髪のフロリア、僕の情熱的な恋人と・・・

 

e te, beltade ignota, cinta di chiome bionde! 

そしてあなた、ブロンドの髪をした見知らぬ美人と!

 

Tu azzurro hai l'occhio, Tosca ha l'occhio nero!

あなたの瞳は青く、トスカの瞳は黒い!

 

L'arte nel suo mistero 

芸術はその神秘の中で

 

le diverse bellezze insiem confonde; 

様々な美しさを溶け合わせる;

 

ma nel ritrar costei il mio solo pensiero,

しかしこの美人を描いても僕の心にいるのは、

 

Ah! il mio sol pensier sei tu!, Tosca, sei tu! 

ああ!僕の心にいるのは君だけ、トスカ、君だけだ!

 

 

  


そこにいる画家がカヴァラドッシと気づいたアンジェロッティはカヴァラドッシに助けを求める。丁度その時トスカが来たため、カヴァラドッシはアンジェロッティをアッタヴァンティ家の礼拝堂に隠す。

 

トスカは美しく、ひたすらカヴァラドッシを愛しているが、反面嫉妬深くそこに女がいたのではないかと疑う。しかしカヴァラドッシに説得され二人で甘い二重唱を歌う。カヴァラドッシは彼女が他人にアンジェロッティの事をしゃべってしまうことを恐れて、真相を言わない。

 

トスカを返した後、カヴァラドッシとアンジェロッティは隠れ家に行く。

 

アンジェロッティを捜して教会に来たスカルピアは直ぐ真実に気づく。丁度その時現れたトスカに(侯爵夫人が変装用にと置いていった)扇を見せ、カヴァラドッシに女がいると思わせ嫉妬心をあおる。彼女は易々とだまされ、怒り悲しみながら隠れ家に向かう。密偵が彼女を追いかける。

 

ナポレオン敗退を祝い、教会ではミサが行われる。壮大な合唱とオルガンが響く中、スカルピアは「私には2つの望みがある。 一人は絞首台に、一人は我が腕の中に・・・トスカ、おまえは私に神を忘れさせる!」と己の欲望を歌い上げるのがバリトンの有名なアリア「テ・デウム」である。

ROH 2011 ブリン・ターフェル 

SCARPIA 

Tre sbirri... Una carrozza... 

部下3人と・・・馬車一台・・・・

 

Presto!... seguila

急げ!・・・(彼女を)追え 

 

dovunque vada!... non visto!... provvedi!

どこに向かうかを!・・・・見つかるな!・・・注意しろ!

 

SPOLETTA 

Sta bene! Il convegno?

わかりました!落ち合う場所は?

 

SCARPIA 

Palazzo Farnese! 

ファルネーゼ宮だ!

 

Va, Tosca! Nel tuo cuor s'annida Scarpia!... 

行け、トスカ!スカルピアはお前の心に巣くったぞ!・・・

 

Va, Tosca! ÈScarpia che scioglie a volo 

行け、トスカ!スカルピアは

 

il falco della tua gelosia. 

お前の嫉妬というハヤブサを解き放ち飛び立たせた・・・

 

Quanta promessa nel tuo pronto sospetto! 

お前の疑惑は何と期待できることだろう!

 

Nel tuo cuor s'annida Scarpia!...

スカルピアはお前の心に巣くったのだ!・・・

 

Va, Tosca! 

行け、トスカ

 

コーラス

Adjutorum nostrum in nomine Domini 

Qui fecit coelum et terram 

Sit nomen Domini benedictum 

Et hoc nunc et usque in saeculum.

 

SCARPIA 

A doppia mira 

俺は一石二鳥をねらう

 

tendo il voler, néil capo del ribelle 

反逆者の首領は

 

èla piùpreziosa. Ah di quegli occhi 

最も価値がある。 そしてああ、あの眼

 

vittoriosi veder la fiamma 

横柄なあの眼に燃える炎が消えゆき

 

illanguidir con spasimo d'amor, 

激情が萎えてゆくのを見るのだ

 

fra le mie braccia... 

俺の腕の中で

 

illanguidir d'amor, 

愛が萎えてゆく、

 

L'uno al capestro, 

一人は絞首台へ、

 

l'altra fra le mie braccia... 

もう一人は俺の腕の中へ・・・・

 

コーラス

Te Deum laudamus: 

Te Dominum confitemur!

 

SCARPIA 

Tosca, mi fai dimenticare Iddio! 

トスカ、お前は俺に神を忘れさせる!

 

コーラス、SCARPIA

Te aeternum Patrem 

omnis terra veneratur!

 

 


第2幕:ファルネーゼ宮殿

 

スカルピアは夕食を取っている。宮殿ではナポレオンに勝利した祝いの会でトスカが歌っている。程なくトスカを追いかけた密偵スポレッタが隠れ家にいたカヴァラドッシを連行して来る。スカルピアはアンジェロッティの行方を問いただすが、彼は答えない。

 

スカルピアはカヴァラドッシを拷問にかけ、呼び出したトスカに彼の苦痛のうめきを聴かせる。精神的な強さを持ち合わせないトスカはアンジェロッティの隠れ場所をしゃべってしまう。

 

それを聞いた血だらけのカヴァラドッシは彼女を激しく叱責した時「ナポレオンがマレンゴで勝利した」という知らせが飛び込んでくる。それを聞いたカヴァラドッシは「勝利だ!勝利だ!」“Vittoria! Vittoria!”とスカルピアの目の前で叫び、死刑を宣告される。

 

カヴァラドッシは女の思いに引きずられるドン・ホセやデ・グリューとは違う。トスカを愛し甘い二重唱を歌う彼だが、まず第1に自由の闘士であり、トスカが何を言おうと彼の信念が揺らぐことはない。

 

それがはっきりと示されるのが  “Vittoria! Vittoria!”(高音A♯!!)の2語。これを如何に堂々と歌うことができるかで、カヴァラドッシ歌いとしての力量が測られる。この場面をカウフマンで。

バイエルン歌劇場 2010 カリタ・マッティラ、ヨナス・カウフマン

歌詞対訳:”Vittoria! Vittoria!"

CAVARADOSSI 

Floria! フローリア!

 

TOSCA 

Amore... あなた・・・・

 

CAVARADOSSI 

Sei tu? 君かい?

 

TOSCA 

Quanto hai penalo 

なんて心が痛んだ事でしょう!・・・

 

anima mia!.. Ma il giusto Iddio lo punirà!

だけど正義の神が罰して下さるわ!

 

CAVARADOSSI 

Tosca, hai parlato? トスカ、しゃべったかい?

 

TOSCA 

No, amor... いいえ・・・・

 

CAVARADOSSI 

Davvero?... 本当に?

 

TOSCA

No! 勿論よ!

 

SCARPIA 

Nel pozzo del giardino.- Va, Spoletta! 

庭の井戸の中だ。 -行け、スポレッタ!

 

CAVARADOSSI 

M'hai tradito! 裏切ったな!

 

TOSCA 

Mario! マリオ!

 

CAVARADOSSI 

Maledetta!  畜生!

 

TOSCA 

Mario! マリオ!

 

SCIARRONE 

Eccellenza! quali nuove!...

閣下!悪いニュースです!

 

SCARPIA 

Che vuol dir quell'aria afflitta?

何をそんなに心配しているのだ?

 

SCIARRONE 

Un messaggio di sconfitta...

敗北の知らせです・・・・

 

SCARPIA 

Che sconfitta? Come? Dove?

なに?どこで、いつやられたのだ?

 

SCIARRONE 

A Marengo... マレンゴで・・・・

 

SCARPIA 

Tartaruga! こののろまめ!

 

SCIARRONE 

Bonaparte è vincitor!

ボナパルトが勝ちました!

 

SCARPIA 

Melas... メラスはどうした・・・・

 

SCIARRONE 

No! Melas è in fuga!... 

メラスは敗走しています!

 

CAVARADOSSI 

Vittoria! Vittoria! 

勝利だ!勝利だ!

 

L'alba vindice appar 

復讐が始まるぞ

 

che fa gli empi tremar! 

悪人を震え上がらせるのだ!

 

Libertà sorge, crollan tirannidi!  

自由は蘇り、暴君を罰するのだ

 

TOSCA

Mario, taci, pieta dime!

マリオしゃべらないで、御願い!

 

CAVARADOSSI 

Del sofferto martîr 

僕は歓びで一杯だ

 

me vedrai qui gioir... 

苦痛にさいなまれていても・・・

 

括弧内3人ほぼ同時に歌っている

(TOSCA: pieta! taci! 御願い!だまって!

SCARPIA: Braveggia, urla! うぬぼれ家め、叫べ!)

 

CAVARADOSSI 

Il tuo cor trema, 

今お前はふるえあがっている、

 

o Scarpia, carnefice! 

おお、スカルピア、死刑執行人!

 

carnefice! carnefice!

死刑執行人!死刑執行人!

 

以下の括弧内は一瞬で過ぎる

(TOSCA: non l’ascoltate! Pieta! Pieta! pietà di me!

彼の言葉を聞かないで!、御願い御願い、御願いよ!)  

(SCARPIA: T'affretta a palesarmi il fondo dell'alma ria! 

Va, Moribondo, il capestro t'aspetta! Va, va!

きさまの腐りきった魂から最後の一滴を吐き出すんだな!

行け!死刑囚、死刑執行人はお前を待っている!行け、行け!)

(TOSCA: pietà di me! 御願いよ!)

(SCARPIA: Portatemelo via! 連れて行け!) 

(TOSCA: Mario... con te...  マリオ・・・私も一緒に・・)

(SCARPIA: Va, moribondo!  行け、死刑囚よ!)

(TOSCA: No, no! いや、いやよ!)

(SCARPIA: Va, va!行け、行け!)

 

TOSCA 

Ah! Mario! Mario! con te, con te・・・・ 

ああ!マリオ!マリオ!私も一緒に・・・・・

 

SCARPIA: Voi no! あなたは 残れ!

 

 

 


トスカはスカルピアに助命を願うが、彼に体を求められる。絶体絶命、精神的に追い詰められたトスカが

 

「神様、私は歌に生き愛に生きて参りました。 私は悪いことをせず良い行いをしてきました。 あなたを信仰して参りました。 それなのに何故この様な運命をお与えになるのですか?」 

 

と歌うのが有名なアリア「歌に生き,愛に生き」“Vissi d’arte, vissi d’amore”

マリア・カラス

歌詞対訳:「歌に生き恋に生き」

Vissi d'arte, vissi d'amore, 

歌に生き、愛に生き、

 

non feci mai male ad anima viva!...

生きとし生きる物を傷付けることは決してありませんでした・・・

 

Con man furtiva 

人知れず

 

quante miserie conobbi, aiutai... 

哀れな人々を何人助けたことでしょう・・・

 

Sempre con fe' sincera, 

変わらぬ信仰を持ち

 

la mia preghiera 

祈って参りました

 

ai santi tabernacoli salì. 

礼拝堂に参って

 

Sempre con fe' sincera 

変わらぬ信仰を持ち

 

diedi fiori agli altar. 

祭壇に花々を捧げました。

 

Nell'ora del dolore 

この苦難の時にあって

 

perché, perché Signore, 

何故、何故、主よ、

 

perché me ne rimuneri così? 

こんな苦しみをお与えになるのですか?

 

Diedi gioielli 

宝石を

 

della Madonna al manto, 

聖母のマントに捧げ

 

e diedi il canto 

歌も捧げました

 

agli astri, al ciel, che ne ridean più belli. 

星々へ、天へ、そしてそれらは更に美しくなるのです

 

Nell'ora del dolore, 

この苦難の時にあって

 

perché, perché Signore,Ah!

何故、何故、主よ、ああ! 

 

perché me ne rimuneri così? 

こんな苦しみをお与えになるのですか?

 

 

 


スカルピアはカヴァラドッシの処刑は単なる見せかけだとトスカに信用させ、トスカは自分の体の代償として彼女とカヴァラドッシとの通行証を求める。

 

スカルピアが通行証を書いている間に、トスカは食卓に置いてあったナイフを衝動的に取り、スカルピアを刺し殺す。そしてカヴァラドッシを追ってサンタンジェロ城へ向かう。

 

第3幕:サンタンジェロ城

 

死を目前にしたカヴァラドッシはトスカを想って「これほど命が惜しかったことはない」、と有名な「星は光りぬ」”E lucevan  le stele” を歌う。 

メトロポリタン歌劇場 2013 ロベルト・アラーニャ

歌詞対訳:「星は光りぬ」

E lucevan le stelle... 

星はきらめき・・・

 

ed olezzava la terra... 

地はかぐわしい匂いに満ちていた・・・・

 

stridea l'uscio dell'orto...  

庭の扉がきしみ・・・

 

e un passo sfiorava la rena...

砂を軽く踏む足音がした・・・

 

Entrava ella, fragrante, 

かぐわしい香りとともに、彼女が入ってきて、

 

mi cadea fra le braccia... 

私の腕のなかに身を投げかけた・・・

 

Oh! dolci baci, o languide carezze, 

ああ!甘いキス、ああ、切ない愛撫、

 

mentr'io fremente 

震えながら、

 

le belle forme disciogliea dai veli! 

彼女のヴェールを取ると、美しい姿が現れた!

 

Svanì per sempre il sogno mio d'amore... 

夢の様な愛は永遠に失われた・・・・

 

L'ora è fuggita... 

時は足早に過ぎ去り・・・

 

E muoio disperato! 

E muoio disperato!  

絶望にうちひしがれて私は死ぬのだ!

 

E non ho amato mai tanto la vita!... 

今ほど生を愛おしんだことはない!・・・

 

tanto la vita!... 

生を愛おしんだことはない!・・・・


するとトスカが入ってきて彼に通行証を見せる。カヴァラドッシは、「あなたのこの手が彼を殺したのか」と驚き喜びに満ちあふれて二重唱を歌う。

 

ただし、カヴァラドッシはスカルピアを信じておらず、この通行証が無意味なことを悟っており、喜ぶトスカを失望させないために彼女の歌につきあうという演出もある。

 

見せかけの処刑と信じるトスカの目の前でカヴァラドッシは殺されてしまう。全てを失ったトスカは  「おおスカルピア、神の御前で (我らを裁いていただこう)!」“O Scarpia, Avanti a Dio!”  と叫んで城壁から飛び降りる。

(2020.1.10 wrote) オペラ解説に戻る