映像・音楽:歌曲

「ブラームスとシューマンによる愛の歌」 2022 ウイーン楽友会大ホール 

「ヴォルフイタリア歌曲集」 2018 ブダペスト


「ブラームスとシューマンによる愛の歌」 2022

ディアナ・ダムラウ、ヨナス・カウフマン、ヘルムート・ドイチェによる歌曲公演第2弾。日本語字幕が付いています。

 

4つの最後の歌」 "Vier letzte lieder"、 R.シュトラウス、 

本来はソプラノを念頭においてかかれた曲。テノールが歌ったのはカウフマンが最初だと思う。

1. 「春」 "Frühling"

2. 「九月」 "September"

3. 「眠りにつくとき」 "Beim Schlafengehen"

4. 「夕映えの中で」 "Im Abendrot"

 

明日!」"Morgen!" in「4つの歌曲」作品27-4、R. シュトラウス、 2006 (恐らく)エディンバラ

「明日は私たちが行く道に太陽がかがやくだろう。・・・・私たちは無言のまま見つめあい、幸福な静寂さの中に溶け込んでゆく」 という明るさに満ちた愛の歌。ゆったりと歌われる非常に繊細で美しい曲。

 

献呈」"Zueignung" in シュトラウス歌曲 作品10-1、R. シュトラウス、 2005 CD あり。

酒に明け暮れていた私を助けてくれた恋人。その恋人に捧げる清らかな感謝の歌。1-3番の歌詞の最後に「habe Dank, ありがとう」と繰り返されるが、それぞれのニュアンスが異なる。

 

冬の旅」"Winterreise"、 シューベルト  2014、 全曲 CD あり。

失恋した若者がさすらいの旅を続けて行くという内容。絶えず死を意識し暗い冬景色の中をさまようが最後の曲にかすかな明るさがみえる。24曲からなる。5番目の「菩提樹、Der Lindenbaum」は特に有名。本来はテノールの為に作曲されたが移調してバリトンが歌うこともおおい。 (例えばフィッシャー・ディスカウによる録音は非常に有名) 

 

「冬の旅」から「菩提樹」 

カウフマンが歌う楽譜付き「菩提樹」。楽譜を見ながら歌を聴いていると、カウフマンが歌を繊細に作り込んで歌っているのがよりよくわかる。

 

「美しき水車小屋の娘」"Die schöne Müllerin"から "Das Wandern"、 シューベルト、 2004  CD あり。

若者が修行に出かけ美しい水車小屋の娘に恋をするが娘は狩人に心を移し若者は傷心のあまり自殺し小川の底に眠る。と言う内容が20曲で描かれている。テノールの為に書かれている。カウフマンはあまり年取らないうちに歌っておきたいと40才の時にこのアルバムを作りました。

 

月夜」"Mondnacht" in「リーダークライス」"Liederkreis" 作品39-5、シューマン

美しい月夜の様子がピアノと歌で繊細に美しく描写される。「天国の様な月夜。そよ風が野原をわたり森はささやく。夜はこんなにも澄み切っている。私の心は静寂に包まれた大地を飛んで故郷へ帰ってゆくようだ。」という様な内容。

 

「詩人の恋」"Dichterliebe"美しき5月には」"Im wunderschönen Monat Mai"  作品48-1、シューマン

シューマンの最も有名な歌曲集の最初の曲。2020年コロナ禍の中、無観客で歌った「詩人の恋」はこれよりずっと悲しげでした。

 

詩人の恋」"Dichterliebe" 作品48-10&11、シューマン 於:バイエルン歌劇場での無観客上演 online  2020.4.27

 

「ミケランジェロの7つのソネット」 “Seven soneets of Michelangelo” 作品22、ブリテン

ブリテンはルネサンスの巨匠ミケランジェロによる詩編から7つを選び、彼の友人でテノールのPeter Pearsの為に作曲した。全て愛の歌

1.    XVI: "Si come nella penna e nell'inchiostro" ("Just as in pen and ink")

2.    XXXI: "A che più debb'io mai l'intensa voglia" ("To what purpose do I express my intense desire")

3.    XXX: "Veggio co' bei vostri occhi un dolce lume" ("I see through your lovely eyes a sweet light")

4.    LV: "Tu sa, ch'io so, signor mie, che tu sai" ("You know that I know, my lord, that you know")

5.    XXXVIII: "Rendete agli occhi miei, o fonte o fiume" ("Give back to my eyes, o fountains and rivers")

6.    XXXII: "S'un casto amor, s'una pietà superna" ("If there is a chaste love, a heavenly pity")

7.    XXIV: "Spirto ben nato, in cui si specchia e vede" ("Noble spirit, in whom is reflected")

 

歓喜の歌」"An die Freude" in 交響曲第9番 合唱付き、 ベートーベン、 2009 ベルリン 

ドイツ連邦共和国建国の60周年記念にブランデンブルク門で催された野外演奏会。シュヴァンネヴィルムス,マイヤー、カウフマン、パーペというメンバーで歌いました。バレンボイム指揮。おやおやメルケル首相もご臨席でした。彼女はカウフマンがお好みと伺っております。

 

 「歌の花束」”Liederstrauss” 詩:ハイネ、 ヴォルフ、  2018 ウイーンコンツェルトハウス

1 「今夜は彼女のパーティなのだ」 "Sie haben heut' abend Gesellschaft" 

2 「僕は暗い夢の中にいた」 "Ich stand in dunkeln Träumen" 

3 「鳴り響き吹きすさぶ」 "Das ist ein Brausen und Heulen"

4 「僕の大きな苦しみが」 "Aus meinen großen Schmerzen"

5 「僕は皇女の夢を見た」 "Mir träumte von einem Königskind"

6 「恋人よ、僕らは一緒に座っていたね」 "Mein Liebchen,wir saßen beisammen"

7 「青服の軽騎兵がラッパを吹き」 "Es blasen die blauen Husaren"

 

「イタリア歌曲集」 “Italienisches Liederbuch”、 連作歌曲、 ヴォルフ、 2018 ブダペストベラ・バルトーク国立コンサートホール CDあり

46曲からなる小曲集。 男女が互いに歌い合う。様々な愛の形を切り取った作品。 ディアナ・ダムラウとヨナス・カウフマンはヨーロッパの様々な都市で12回公演した。これらの公演は歌ばかりではなく演技も付けて歌われ非常な(異常な)人気を博した。 

 

J.Kaufmann, D.Damau & H.DeutschがH. Wolfのイタリア歌曲集を語る会話の部分は英語字幕付き。舞台映像も少し入っている。

 

「さすらう若人の歌」"Leider eines fahrenden Gesellen" 、連作歌曲、マーラー、バイエルン歌劇場 2020.6.29

 

「リュッケルト歌曲集」 ”Rückert-Lieder“、マーラー、2012 ウイーン

以下はカウフマンの歌った順序で並べてあります。

2.  「私は仄かな香りを吸い込んだ」 "Ich atmet' einen linden Duft”

5.  「美しさゆえに愛するのなら」 ”Liebst du um Schönheit”

1. 「 私の歌を覗き見しないで」 "Blicke mir nicht in die Lieder! ”

3.  「私はこの世に捨てられて」" Ich bin der Welt abhanden gekommen” 

4.  「真夜中に」 "Um Mitternacht”

 

「大地の歌」”Das Lied von der Erde”マーラー、 2011 ベルリン 

何とも劇的で甘美な音楽に引き込まれる。李白の元詩による歌詞は味わい深い。第一楽章では黄金のうま酒を飲み尽くしながらも、永遠なる自然、対する人のはかなさを憂いている。節の終わりに「Dunkel ist das Leben, ist der Tod   生は暗く、死もまた暗い」が繰り返される。

 

「大地の歌」は歌曲を伴う交響曲。普通はテノールとアルト(又はバリトン) によって全6楽章が交互に歌われる。テノールは1、3、5楽章を歌う。最近、カウフマンは一人で両パートを歌っています(CDあり)。この公演はClaudio Abbado指揮、 Anne Sofie von Otter &

Jonas Kaufmann、ベルリンフィル。「カウフマン、マイスタージンガー、大地の歌、オテロを語る」参照

 

第1楽章、 「大地の哀愁に寄せる酒の歌」”Das Trinklied vom Jammer der Erde”

第2楽章「秋に寂しき者」"Der Einsame im Herbst"

第3楽章「青春について」"Von der Jugend"

第4楽章「美について」"Von der Schönheit"

第5楽章「春に酔える者」"Der Trunkene im Frühling"

第6楽章「告別」"Der Abschied" 

 

リスト歌曲」、リスト、2012 ウイーン

「僕の歌は毒されている」"Vergiftet sind meine Lieder S 289"

「ラインの美しい流れに」"Im Rhein, im schönen Strome S 272/1 (2. Fassung)"

「歓びでいっぱい そして悲しみでいっぱい」"Freudvoll und leidvoll S 280 (2.Vertonung 1848)"

「彼はテューレの王だった」"Es war König von Thule S 278/1 (2. Fassung)"

「マルリンクの鐘」"Ihr Glocken von Marling S 328"

「三人のジプシー」"Die drei Zigeuner S 320"

 

「ペトラルカによる3つのソネット」 ”Tre Sonetti di Petrarca” 、リスト、 2000 Bad Urach

リストはペトラルカの3つのソネットからピアノ曲を作曲し「巡礼の年第2年イタリア」の中に組み入れました。それらと同じ旋律を用いて作られた歌曲です。

2. Benedetto (祝福あれ)、"Benedetto sia 'l giorno"

1. 平和を見いだせない、"Pace non trovo"

3. 地上に天使を見た "Io vidi in terra"

あまり演奏されない曲です。参考までピアノ曲を(こちら) こちらは、1 (ソネット 第47番)、 2 (ソネット第104番)、 3 (ソネット第123番)の順に演奏されています。

 

ヴェーゼンドンク歌曲集」 ”Wesendonck Lieder”、連作歌曲、ワーグナー、 2013

1. 「天使」"Der Engel"、

2. 「とまれ」 "Stehe still!"、

3. 「温室にて」"Im Treibhaus"、

4.「悩み」"Schmerzen"、

5. 「夢」 "Träume"。 

「温室にて」と「夢」は「トリスタンとイゾルデの為の習作」という副題が付いている。「夢」はトリスタン第2幕の二重唱に、「温室にて」は第3幕の前奏曲にふくまれている。本来は女声で歌われるが、「天使」は男声での録音がある。

 

映像・音楽:コンサートに続く