映像・音楽:イタリアオペラ(1)

運命の力 ROH  2019

オテロ ウイーン歌劇場 2023


 

アイーダ (Aida) ヴェルディ (関連記事:オペラ解説「アイーダ」、「清きアイーダ考」)

2023   ウイーン、ウイーン歌劇場

 第1幕第一場  清きアイーダ」(Celeste Aida)  この公演は多剤耐性菌感染のためカウフマン調子が悪かったです。

 

2022   ナポリ、Arena di Verona

第1幕第一場  清きアイーダ」(Celeste Aida)   野外劇場。ゼッフェレルリ演出の古代エジプトを舞台に豪華な衣装を身に着けて歌う。ローマ時代の遺跡も雰囲気を醸し出す。歌い方はいつもの非常にレガートなメッサ・ディ・ヴォーチェ、モレンド。

 

2021 パリ、オペラ座バスチーユ、無観客公演ストリーミング

第1幕第1場 「清きアイーダ」アリアの最後 "un trono vicino al sol!"の最後の"sol"。弱音で神殿の夜気にゆっくりと溶けて消えてゆくような高音Bフラットが絶品。最後は弱音から始まりメッサ・ディ・ヴォーチェ(クレシェンドの後デクレシェント)して終わる(関連記事「清きアイーダ考」)歌詞と日本語訳はこちらにあります。

 

第4幕第2場 サンドラ・ラドヴァノフスキーとの二重唱。二人とも素晴らしいピアニシモを駆使して感動的に "La fatal pietra sovra me si chiuse"を歌う。このようなレベルの高い歌唱は滅多に聞けない。アイーダは奇妙なパペットとして表現されておりラドヴァノフスキーは黒子のような演出だが彼女の素晴らしさが光る。

 

2020  ナポリ、サン・カルロ歌劇場、演奏会方式

第1幕 第1幕冒頭、愛するラダメスに女の影を感じ探るアムネリスと疑いをそらそうとするラダメスの会話

 

第3幕 父に命令されラダメスから軍の機密を探り出そうとするアイーダと、エチオピアとの戦いに勝利して王にアイーダとの仲を認めてもらおうと主張するラダメス。

 

2015 バイエルン州立歌劇場  

第4幕第1幕 捕らえられたラダメスと王女アムネリスの迫真の二重唱。"Già i Sacerdoti adunansi"  アムネリスの懇願を入れず、ラダメスは死を宣告されるべく審判の場へとむかう。ついでに言えばこの第1場はアムネリスの腕(歌唱)の見せ(聴かせ)所。

 

第4幕第2場 墓場の中、ストヤノヴァとカウフマンの死の二重唱  "La fatal pietra sovra me si chiuse"。柔らかく響く二人の歌声が美しい。カウフマンは金ぴか鎧を付けていたのですが何故に靴はスニーカーなのでしょう、足まで予算が回らなかった??

 

2015 「アイーダ」CDの録音風景 

カウフマン、ハルテロス、テジエ、シュロット、セメンチェクという豪華メンバー。

 

2015 Dell'Auditorium Parco della Musica ローマ 

記憶に依ればCDレコーディングに際し1回だけ会場で行われたコンサート形式のオペラ。出演者はCDと同じ。一幕冒頭の「清きアイーダ」が素晴らしい

 

公演日?   「清きアイーダ」 "Celeste Aida"

 

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アドリアーナ・ルクブルール(Adriana Lecouvreur) チレア (関連記事  iltrovatoreのオペラ解説「アドリアーナ・ルクブルール」

 

2010 ROH  

ゲオルギューとの共演。カウフマンはマウリツィオを演じました。DVDあり

 

第1幕「あなたの中に母の優しさと微笑みを」 "La dolcissima effigie"。音声のみ  アドリアーナに捧げるマウリツィオの愛の歌。出だしの歌い方が甘い。

 

第2幕「こころは疲れて」"L'anima ho stanca"。 音声のみ  ブイヨン后妃による嫉妬からの鋭い追求に答えて。

 

第4幕  アドリアーナの "Ove dunque son io?" から。音声のみ  マウリツィオに求婚されるが、スミレに仕掛けられた毒によってアドリアナが死を迎える最後の場面。ゲオルギューもカウフマンも上手いですねえ。

 

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アンドレア・シェニエ  (Andrea Chénier)  ジョルダーノ   (関連記事:iltrovatoreのオペラ解説「アンドレア・シェニエとトスカ」「アンドレア・シェニエ

 

2018.4 ウイーン国立歌劇場 

第1幕 「ある日青空を眺めて ”Un dì all’azzurro spazio “ 

 

第2幕 「アンドレア・シェニエだわ」 "È lui! Andrea Chénier!" から "Ora Soave" を含むマッダレーナとの二重唱

 

第3幕 「亡くなった母が "La mamma morta"  iltrovatoreの独断により、ハルテロスのアリアも入れておきます。

 

第3幕 「そうだ、私は兵士だった」 "Si, fui soldato" 

 

第4幕  五月の晴れた日のように"Come un bel dì di maggio" 

 

第4幕 最後の二重唱 "Vicino a te s'acqueta l'irrequieta anima mia" から終わりまで & カーテンコール

 

2018.3 リセウ大歌劇 

第1幕 「ある日青空を眺めて」 ”Un dì all’azzurro spazio “

 

第4幕 「天からやってくるのだ」 “Ne viene a noi dal cielo” オペラ最後の場面、サンドラ・ラドバノフスキーとの二重唱

 

2017 バイエルン歌劇場 全曲 

第2幕 二重唱 "Ora Soave" ハルテロスとカウフマンの二重唱。

 

第4幕 二重唱から最後まで  "Vicino a te・・・la nostra morte"

 

2017 シャンゼリゼ劇場 (バイエルンと同じ)2017.03.26にパリで上演されたアンドレア・シェニエ(コンサート形式)のビデオ

 

2015 ROH   DVDあり

 

第4幕  最後、共に死ねる喜びを歌うシェニエとマッダレーナの愛の二重唱 のあと、「アンドレア・シェニエ」「私だ」「イディア・レグリエー」「私です」と言って二人で断頭台に向かう姿は泣けます。

 

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イル・トロヴァトーレ (Il trovatore) ヴェルディ (関連記事:iltrovatoreのオペラ解説「イル・トロヴァトーレ」)

 

2013 バイエルン州立歌劇場  

第3幕、マンリーコが歌う見よ、恐ろしい炎を」"Di quella pira" 。時代読み替え版。バイエルンはこの手の読み替えが多い。

 

全曲 金はかかっているように見えるが、意味不明な影武者、歌ではっきりと表現されている状況を歌わない俳優にくどくどと説明の演技させるなど、レベルの高くない演出。

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ウリッセの帰還  (Il ritorno d’Ulisse in patria) モンテヴェルディ  

 

2002 チューリッヒ歌劇場 DVDあり

 

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運命の力 (La Forza del Destino) ヴェルディ(関連記事:オペラ解説「運命の力

 

2019 ROH 

ネトレプコとカウフマンという当代随一の歌手達の滅多にない共演で話題になった。

 

第3幕  瀕死のアルバロがドン・カルロに別れを告げ小箱を託すところ。

 

第4幕最後 ネトレプコの「神よ平和をあたえたまえ」と幕切れの場面

 

2013 バイエルン州立歌劇場 

全曲 素晴らしい歌唱と演技を見ることができます。ハルテロス、テジエも素晴らしい。ドンアルバロに恭順の意を示していたアルバロが「ムラート、混血児 (蔑称)」といわれて逆上しカルロに剣を突きつける運動神経抜群のカウフマンが見られる(3:15:40位から見て下さい)、このような激しい動きでよく歌い続けられるなあ、といたく感心。DVDあり

 

第1幕 この8分少少の動画だけで、カウフマンが創り出そうとしているドン・アルバロの性格が理解出来る。DVD全曲では、カウフマン、ハルテロス,テジエの力強い歌と迫真の演技が印象的。バイエルンにしては良い演出だと思う。

 

第3幕  “La vita è inferno all’infelice” 「人生は不幸な者にとって地獄だ」 野戦場にて、ドン・アルバロは自らの不幸な生い立ちやレオノーレに対する想いを歌う。長く難しいアリア。特にレオノーレを想って歌うフレーズは柔らかく美しい。

 

第4幕 "Invano Alvaro" アルバロとカルロの口論から決闘に至るまで。ドンアルバロに恭順の意を示していたアルバロが「ムラート、混血児 (蔑称)」といわれて逆上しカルロに剣を突きつける運動神経抜群のカウフマンが見られる。10分くらい。極めて魅力的なカウフマンとテジエの歌唱

 

第4幕 最後の場面。隠れ住むレオノーラのもとにアルバロと瀕死のカルロが現れる。カルロはレオノーレを殺し自らも果てる。生き残ったアルバロは十字架を捨て、一人その場を去ってゆく。

 

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オテロ (Otello) ヴェルディ(関連記事:iltrovatoreのオペラ解説「オテロ)

 

2023  ウイーン 歌劇場

第1幕、 “Già nella note densa 「夜も更けた」 オテロとデズデモナの愛の2重唱、Jonas Kaufmann & Rachel Willis-Sørensen 

 

第3幕、 ”Dio! Mi potevi scagliar" 「神よ!我に邪悪の全てを投げかけられた」 妻に裏切られた苦しみと怒りのモノログ(対訳あり)、Jonas Kaufmann & Ludovic Tézier

 

2018 バイエルン歌劇場 全曲

カウフマン、ハルテロス、フィンリー。歌手とオーケストラは非常に良いのですが、演出家のエゴむき出しでヴェルディの意図にはっきりと逆らう演出なのが問題。

 

2017 ROH DVDあり

第1幕冒頭他 euronewsから “E sultate!” 「喜べ!」と民衆に威厳を持って叫ぶオテロの場面から始まります。少々解説がうるさい。

 

第1幕、 “Già nella note densa” 「夜も更けた」 オテロとデズデモナの愛の2重唱 

 

第2幕、 “Si, pel ciel marmoreo guiro!” 「そうだ、私は大理石のように冷ややかな天にかけて誓う!」 オテロとイヤーゴの2重唱。イヤーゴに妻の不貞を吹き込まれたオテロは絶望と嫉妬に燃え復讐を誓う。

 

第3幕、 ”Dio! Mi potevi scagliar" 「神よ!我に邪悪の全てを投げかけられた」 妻に裏切られた苦しみと怒りのモノログ(対訳あり)

 

第3幕第2場、"A terra, si - nel livido fango" 「地に倒れ、そうー泥にまみれて」。オテロは嫉妬に狂いヴェネチア大使や人々の前でデズデモナを引き倒す

 

第4幕最後の場面。"Nium mi tema" 「私を恐れるな」。真実を知ったオテロは自らに剣を突き刺す。最後にデズデモナにキスしようと死んだ彼女ににじり寄る(第1幕愛の二重唱の "Un Bacio"「接吻を」が一瞬奏でられる)しかし、かなわず息絶える。

 

Insights into Otello with Jonas Kaufmann(ROH) (ヨナス・カウフマンオテロを語る)カウフマンとパッパーノがオテロについて語ります。非常に面白い。 開始後49分過ぎから登場。

 

2004 パリオペラ座 

第1幕  イヤーゴの奸計にのせられて酒を飲まされ酔っ払う浅はかなカッシオを演じています。2004年の公演ですが、すでに舞台を喰ってますね。

 

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カバレリア・ルスティカーナ (Cavalleria Rusticana) マスカーニ  (関連記事:iltrovatoreのオペラ解説「カバレリア・ルスティカーナ

 

2015 ザルツブルグ祝祭大劇場 DVDあり 

シチリアーナ」"O Lola c'hai di latti la cammisa"  普通は舞台裏から歌います。トゥリッドゥがローラを想って歌います。

 

サントゥッアとトゥリッドの二重唱 "No, no, Turiddu" サントゥッアはトゥリッドの心を取り戻そうと必死に懇願しますがトゥリッドは邪険に突き放し、サントゥッアが屈辱に燃えてトゥリッドを呪うところ

 

「乾杯の歌」"Viva il vino"

 

母さん あの酒は強いね "Mamma, quel vino e generoso" 死を予感したトゥリッドは母にそれとなく別れを告げ、サントゥッアの事を頼むと言い残します。歌詞と日本語訳はこちらに有ります。

 

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群盗 (I Masnadieri) ヴェルディ

 

2005 Fiderlstadt  全曲 音声のみ。

シラーの戯曲「群盗」が原作。ヴェルディのあまり上演されないオペラ。筋は少少荒唐無稽だが音楽はヴェルディヴェルディしていて美しい。カウフマンは主人公カルロを歌っています。

 

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西部の娘 (La Fanciulla del West) プッチーニ (関連記事:iltrovatoreのオペラ解説「西部の娘

 

2018 MET

第3幕 “Ch’ella mì creda libero” 「やがて来る自由の日」追っ手に捕まり首つり刑になる直前、ジョンソンがミニーを想い 「僕が自由になり遠くに行って贖罪の道にいると彼女に信じさせてくれ」と歌うアリア。

 

2013 ウイーン国立歌劇場  全曲 

プッチーニのマイナーオペラだが、カウフマンが出演するというだけでチケットが完売したそうです。一幕ではカウンターをひらりと飛び越える身のこなしが軽やかなカウフマンを見ることができます。う〜ん、標準的な体型のテノールには不可能な技だ。こちらの下方に少し説明あり。 DVDあり

 

第2幕 ミニー(シュテンメ)の家に行ったジョンソン(盗賊ラミレス)は彼女との愛を確かめ合う。

 

第3幕 “Ch’ella mì creda libero” 「やがて来る自由の日」 

 

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蝶々夫人 (Madama Butterfly) プッチーニ  CDあり

 

2008  CD録音風景

蝶々夫人はアンジェラ・ゲオルギュー、指揮はアントニオ・パッパーノ

 

映像・音楽:イタリアオペラ(2)に続く