映像・音楽:イタリアオペラ(2)

ボエーム 2020  バイエルン歌劇場

トゥーランドット 2023 ウイーン歌劇場


 

椿姫 (La traviata) ヴェルディ (関連記事: iltrovatoreのオペラ解説:椿姫

 

2008 ROH (ニュース

ネトレプコ、ホヴォロストフスキーという豪華メンバーでの椿姫。その話題を伝えたショートニュースです(ドイツ語)。舞台裏で「みんながカウフマンと歌えって言うのよ!」というネトレプコにいじくりまわされるカウフマン、舞台でのネトレプコとの二重唱等がちょっぴり写っています。

 

2008 ROH 全曲 音声のみ全曲 ネトレプコ、カウフマン、ホヴォロストフスキー

 

2007 パリオペラ座  全曲 シェーファー、カウフマン、ファン・ダム 

時代読み替えのおかしげな演出ですが皆さん歌も演技も上手です。シェーファーが上手い。カウフマンが若く麗しい。最後の2重唱「パリを離れて」(2:00:00から)はカットせずフルで歌われている。カウフマンの人気が出た為でしょうか。いずれにしてもこの歌は非常にゆっくりと優しく歌われている。

 

2006 MET 

第1幕、「乾杯の歌、Brindisi」 "Libiamo, libiamo ne'lieti calici” から始まるアルフレードとヴィオレッタの有名なアリア。アンジェラ・ゲオルギューと共演したカウフマンの出世作。

 

第2幕第2場、音声のみフローラのパーティー会場で、怒り狂ったアルフレードはヴィオレッタを侮辱する。第2場の後半から終わりまで。非常に劇的。

 

第3幕、「パリを離れて」"Parigi o caro"  この2重唱の繰り返し部分はカットされている。カウフマンがまだ無名であったゆえ時間節約のためであろうか。

 

2006 MET デビュー成功に興奮しているカウフマン。ドイツ語会話は全くわからないのですが、オペラハウス全体が彼への賛辞でわいたと言っている様な気がします。

 

2003 シカゴ 

第3幕、「パリを離れて 」からもう少し先まで。 声が若いです。ヴィオレッタはパトリツィア・チョーフィー。

 

*** *** *** *** 

 

トゥーランドット(Turandot) プッチーニ (関連記事:iltrovatoreのオペラ解説「トゥーランドット

 

2023 ウイーン 歌劇場

 

第1幕、「泣くなリューよ」”Non piangere, Liù” とても優しい歌い方です。

 

第2幕第2場、「この宮殿の中で」 "In questa Reggia"  Asmik Grigorianの決して潰れない強く美しい高音が素晴らしい。

「謎は三つ、死が唯一!」と脅すトゥーランドットに「否、否、唯一は生!」と答えるカラフ。両者フォルテッシモのユニゾンハイCで締めくくる。

 

*** *** *** *** 

 

道化師 (I Pagliacci) レオンカヴァレロ (関連記事: iltrovatoreのオペラ解説「道化師」

 

2015 ザルツブルグ祝祭大劇場 全曲 DVDあり

第1幕、「素晴らしい芝居、今夜23時!」”Un grande spettacolo a ventitré ore” 

旅芝居の座長カニオ(カウフマン)が村人に口上を述べ芝居に誘う。村人達に妻ネッダのことをからかわれ「冗談はよしてくれ」とアリアを歌う。ネッダは不安になる。

 

カウフマンは最後の「ではお忘れ無く!今宵23時!」” Ma poi, ricordatevi! A ventitre ore!” で楽譜より一オクターブあげて輝かしく歌っています。(この地方で23時は日没1時間くらい前)

 

第1幕最後「衣装を着けろ」"Vesti la giubba"。カウフマンはなにをどう演じても知性が透けて見えるのが欠点と言えば欠点。

 

第2幕、終わりまで 「畜生め、同じ言葉だ!」”Nome di Dio! Quelle stesse parole!” 

芝居の最中ネッダはつい恋人と交わした愛の言葉を口走る。カニオはそれを聞いて心乱れる。それでも芝居を続けようとするが、ついに逆上。「もう道化師じゃないぞ!」”No! Pagliaccio non son;”と叫びついにはネッダを刺し殺す。彼は呆然とし「芝居(喜劇)は終わった」”La commedia e finita!” とつぶやいて幕が下りる。

 

*** *** *** *** 

 

トスカ (Tosca) プッチーニ (関連記事:iltrovatoreのオペラ解説「アンドレア・シェニエとトスカ」、「トスカ 」

 

2022 テアトロ・サン・カルロ ナポリ トレーラー 

 

2021 テアトロ・レアル 

「トスカ」抜粋 Jonas Kaufmann, Sandra Radvanovsky, Carlos Álvarez

 

第3幕「星は光りぬ」"E lucevan le stelle"  bis

カウフマン「星は光ぬ」とトスカ役ラドヴァノフスキー「歌に生き愛に生き」の同一公演でのダブルアンコールが評判になった。

 

2017 ウイーン歌劇場 全曲 Martina Serafin, Jonas Kaufmann, Marco Vratogna

 

2016 ウイーン歌劇場 全曲  A Gheorghiu, Jonas Kaufmann, B Terfel

 

第1幕 「妙なる調和」 "Recondita armonia"  カバラドッシが茶色の髪黒い瞳の恋人トスカと金髪で青い目をした見知らぬ美人、二人の美しさを「妙なる調和」と讃え、しかし自分が恋するのはトスカあなただけだ、と歌います。歌詞と日本語訳はこちら

 

第3幕「星は光りぬ」"E lucevan le stelle" 

既に伝説と化したカウフマンの「星は光りぬ」bis (アンコール) の場面。

 

本来なら「旅行免許状、トスカ及び・・・」" Franchigia a Floria Tosca..." というカヴァラドッシが歌う旋律に載せて「ああ、ソプラノさんがいないよ・・・」"Non abbiamo soprano" と歌いました。とっさの事態にもカウフマンは落ち着いて対処しています。この騒動の顛末とltrovatoreの感想はこちら

 

2012 バイエルン歌劇場 

第2幕  “Vittoria! Vittoria!”

ナポレオンの勝利の知らせを聞いて、「勝利だ!勝利だ!」 “Vittoria! Vittoria!”と 叫ぶところ。感情の爆発!” Vitto~ri~a~!  Vitto~ri~a ~~~~!“朗々と輝かしく続く。息が恐ろしく長い。こちらの息の方が苦しくなる!ワレキューレの Wälse とならんで一聴の価値あり。

 

2011 ROH 全曲 Jonas Kaufmann, Angela Gheorghiu, Bryn Terfel

 

2010 バイエルン歌劇 Karita Mattila, Jonas Kaufmann, Juha Uusitalo

第1幕 トスカとカヴァラドッシの2重唱。マッティラとカウフマンどちらも歌芝居うまし。

 

第2幕 ”Vittoria! Vittoria!"( 勝利だ!) 拷問にあったカヴァラドッシがナポレオンの勝利を聞いて叫ぶ。他の幕のアリアが出来ようとも、ここを堂々と歌えなければカヴァラドッシは歌えない。 

 

第3幕 「星は光りぬ」"E lucevan le stelle"。この公演は確かボンディの評判の悪い演出だったと思うが、カウフマンはどんな演出でもそれなりに見せてしまえる能力がある。

 

2009 チューリッヒ歌劇場 全曲 エミリー・マギー、トーマス・ハンプソン。ロバート・カーセンの演出。DVDは日本語字幕付き。

動画は断片的で、動画2,3は削除されています。これらの動画には日本語字幕が付いています。

1.    第1幕  「妙なる調和」

4.    第1幕   アンジェロッティを逃がす

5.    第2幕 カバラドッシとスカルピアの緊迫した会話

6.    第2幕 拷問を受けたカバラドッシが「勝利だ!」と叫ぶところ

7.    第3幕   初めから星は光りぬの前まで」

8.    第3幕 「星は光りぬ」トスカが登場、二重唱

9.    第3幕 トスカが登場、二重唱

10.  第3幕   トスカとの二重唱〜最後まで

 

2008 ROH ゲオルギュー、カウフマン、ターフェルのゴールデンコンビ。DVDあり

 

*** *** *** *** 

 

ドン・カルロ (Don Carlo) ヴェルディ イタリア語版  (関連記事 鑑賞記/カウフマン「ドン・カルロ」、オペラ解説「ドン・カルロ」

 

2013 ザルツブルグ祝祭大劇場 DVDあり

euronewsでこの上演の解説をしています。このオペラの絢爛豪華な演出や豪華な出演者達の舞台風景が垣間見られます。

 

第2幕 ロドリーゴ役ハンプソンとの友情の二重唱 "Dio, Che Nell'alma Infondere Amor"。カウフマンはこの公演でドン・カルロのキャラクターに新たな解釈を加えている。エリザベッタ役ハルテロスが上手。これなら5幕版でも飽きない。

 

2012 バイエルン歌劇場 全曲

終幕のエリザベッタ(ハルテロス)との二重唱。

 

2009 ROH  

第2幕 友情の二重唱 カウフマンとキーンリサイドとのため息のでる美男子コンビでの友情の二重唱。動画ではないのがものすごく残念。せめて、麗しい二人の画像だけでも見ながら聞いて下さい。

 

2008 Moscow  

第2幕 友情の二重唱 これはコンサートでの友情の二重唱。カウフマンとホヴォロストフスキーの別版美男子コンビ。ホヴォロストフスキーの豊かな低音の響きは私好み。・・・バリトンは美男子が多いのう。

 

2007 チューリッヒ歌劇場 全曲音声のみ。 非常に張りのあるいい声で歌ってますね。カウフマン、ドン・カルロのロールデビュー作。今は亡きダニエラ・デッシーがエリザベッタ。

 

*** *** *** *** 

 

ドン・カルロス (Don Carlos) ヴェルディ フランス語原典版 (関連記事 鑑賞記/カウフマン「ドン・カルロス」)

これをイタリアオペラに入れるのは問題かと思いますが、上記のイタリア語版との比較がしやすいのでフランスオペラに入れずこちらに入れまし

 

2020 ウイーン歌劇場 

第2幕 友情の二重唱 二人が友情を誓い合うとき、なぜに這いつくばって探し物をしている様にうろつくのかが不明な演出。

 

第4幕 「ロドリーグの死カルロスの身代わりとして死にゆくロドリーグがカルロスに語りかける。

 

2017パリオペラ座 バスチーユ 全曲  

第1幕 Je l’ai vue, et dans son sourire,”「彼女の微笑みを見て」 自分の婚約者に一目会おうと浮き浮きした愛の心を歌うのが今までの演出ですが、今回は既に父の妻となった自分の元婚約者とのつかの間の愛の記憶に絶望するドン・カルロス、という演出で歌っています。

 

第2幕 “Dieu, tu semas dans nos âmes un rayon de mêmes flammes” 「神は我らの心に同じ炎をともした“ カウフマンとテジエが歌う友情の二重唱

 

第5幕 “C’est elle!” 「あの人だ!」から終幕まで ドン・カルロスと最後の別れをするエリザベス(ヨンチェバ)との二重唱から最後カール5世にカルロが連れ去られるまで。

 

*** *** *** *** 

 

ニーナ (Nina) パイジエッロ  

 

2002 チューリッヒ歌劇場  全曲。バルトリとの共演。この上演がMET椿姫デビューへの橋渡し  DVDあり。

 

*** *** *** *** 

 

マノン・レスコー (Manon Lescaut ) プッチーニ

 

2014 バイエルン歌劇場 

これもオポライスとの共演。こういった演出あまり好きではないですが。

 

2014 ROH  DVD あり

第1幕 「見たこともない美人」”Donna non vidi mai”。オポライスとの共演。カウフマンはひげを剃った方がずっと若く見える。(関連記事「オペラにより異なる歌い方」)

 

*** *** *** *** 

 

ラ・ボエーム (La Bohème) プッチーニ (関連記事:iltrovatoreのオペラ紹介「ラ・ボエーム

 

2020 バイエルン歌劇場

第1幕「私の名はミミ

Rachel Willis-Sørensenが歌うアリアです。ルドルフォ役のカウフマンは彼女の話を嬉しそうに聞いているだけですが、とても良い演技をしています。彼女が「私の名はミミ」 "Si, mi chiamano Mimi"と歌い始めた時、「ああ、ミミなの」と言ってますね。(声には出してないけれど)。

第1幕「おお愛らしい乙女よ 一部

 

2007 チューリッヒ歌劇場 全曲 音声のみ  

カウフマン、モシュク、コール、フォーレ 。第1幕最後の愛の二重唱 "O soave fanciulla" もうまい (31:33から)。この二重唱最後の音、テノールはソプラノに合わせてハイCを出す必要は全く無い。

テノールの本来の音はE (ミ)でソプラノと綺麗なハーモニーになるのだが、ここをハイCでがんばると目立つので売り出し中テノールのセールスポイントになる。カウフマンも若かったからがんばったのかな。

 

第1幕 「冷たき手を」昔はモシュクとよく一緒に歌っていました。若い頃はハイC楽々でした。

 

第1幕 「冷たき手を」 ”Che gelida manina”。録音 非常に滑らかで表情豊か。声もつよい。

 

*** *** *** *** 

 

リゴレット (Rigoletto) ヴェルディ

 

2005  チューリッヒ歌劇場 全曲 音声のみ 

第3幕 「美しい愛らしい娘よ」 "Un dì se ben rammentomi... Bella figlia dell'amore"

ジルダとリゴレットが宿屋をのぞき見る。中でマントバ公爵がマッダレーナに言い寄っている。傷心のジルダ (Sp)、復讐心に燃えるリゴレット (Br)、公爵をあしらうマッダレーナ (Ms)、彼女を口説くマントバ公爵 (T) の4人の心が交錯する有名な4重唱。音声のみ

 

TV番組。「リゴレット」の舞台,舞台裏とカウフマンの日常風景。サッカーを楽しむカウフマン。

 

映像・音楽:ドイツオペラに続く